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8月31日(木) ヒオウギ

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このヒオウギのことを知ったのは、あのオレンジ色の花、ヒメヒオウギズイセンの名前のパーツの一つ(檜扇)としてでした。
もちろん、この檜扇があったからこそ姫檜扇水仙という重層構造の名前が生まれたわけで、ものの順序としてはこのヒオウギが本家筋です。ただし、目につきやすさから言えば本家は少しだけマイナーです。
斑入りの花が美形なのに、それをまったく無視した命名が渋すぎます。たしかに名前どおりと思わせる葉の形はとても美しく、緊張感に満ちています。

<補注> 秋の実(ぬばたま)を収録しました。(2009年9月25日

2005年のきょうサフランモドキ> 2004年のきょうタイワンホトトギス

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8月30日(水) ホウセンカ

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鳳仙花をいままでずっとここに載せないで来ていました。別に忘れていた訳ではなく、どうもうまく撮れないのです。
葉の下に花がつくので、光線の具合がよろしくないのが一番の理由だし、いまにもハゼそうな種を写し込みたいと欲張って、時を逃がしてきました。
そこで、種は膨らみかけのところであきらめて、暦上の夏のうちに一度は登場させておくことにします。爪紅(つまくれない)という風流な古名に対し、Touch me notという英名は洒落が効いていてほほえみを誘います。

<補注1> 別の花色の株も入った写真を収録しました。(2014年8月13日
<補注2> 実が割れて種がこぼれる様子をとらえました。(2021年8月11日

2005年のきょうメランポジウム> 2004年のきょうトロロアオイ

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8月29日(火) シシトウガラシ

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花も実も、株の様子まで含めてピーマンを思わせます。一方、赤く熟した実(右端)はレッドピーマンというよりは唐辛子の艶に見えます。いったい君は何者かい!?と言いたいその正体は、シシトウ(注2)でした。
獅子唐辛子、略してシシトウで、焼き鳥屋さんではこの塩焼きにお世話になります。名前からすると唐辛子の直系かと思ったら、そうではありませんでした。
唐辛子から派生した甘い品種がピーマン、そのピーマンからできた実の細い種類がシシトウ(注1)だそうです。ん、少し頭が混乱します。

<補注1> トウガラシ、ピーマン、シシトウ、パプリカは、分類的にはすべて同じ(Capsicum annuum)ものです。(2019年7月8日
<補注2> 当初はこれを「シシトウ」としていましたが、標準和名はシシトウガラシだったので、タイトルだけ訂正します。(2020年夏)

2005年のきょうソラヌム・ラントネッティ> 2004年のきょうガガイモ

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8月28日(月) ヘチマ

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黄花+ガサッ葉のウリ科の皆さんを見分けるのが今年の課題、なんて大言壮語しつつ、7月にキュウリ8月にカボチャを載せただけでした。
これではならじ、と夏のうちにヘチマもようやくとらえることができました。なんと、電柱に這い上がって実をぶら下げるという強靭な生態も記録できました。
雄花・雌花の別はあっても、どちらも皿のように平らです。まっ黄色のフリスビーみたいです。葉は小ぶりのハンカチほどで、とても丈夫な作りです。

<補注> ぶら下がったまま半年以上が経過した実を見ました。(2010年4月4日

2005年のきょうヤブラン> 2004年のきょうケイトウ

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8月27日(日) キクイモ

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キクイモとイヌキクイモ、二つの見分けが悩ましくて、ずっとウロウロしています。
一昨年のここに載せたのは、はじめキクイモと思ったもののイヌに訂正し、去年はHPの方にたぶんイヌキクイモであろう写真を収録しました。
そういう過去からすると、今年のこれは少しうれしめの写真で、花びら(舌状花)が13枚まで数えられます。
イヌの上限が12枚、キクの下限が10枚、ぎりぎりセーフの値です。

<補注> キクイモの根茎はじつに堂々とした姿でした。(2015年1月14日

2005年のきょうハゲイトウ> 2004年のきょうモミジルコウ(ハゴロモルコウソウ)

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8月26日(土) サンゴバナ

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菊の花をひっくり返したよう、と言ったら、この美しい花に失礼でしょうか。プラスチック細工のような葉のせいもあって、どうにも作り物みたいです。
サンゴバナと名付けた人も、なにか工芸品のような不思議さを感じたのかな、と共感を覚えてしまいます。
南米原産で暑さを好むし、「性質は強い(耐寒性あり)」という記述もされています。さすがにこの辺の露地での冬越しは無理ではあっても、室内でなら冬の間も観葉植物的に楽しむことができそうです。

2005年のきょうタマスダレ> 2004年のきょうリコリス・オーレア

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8月25日(金) セイバンモロコシ

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駅に向かういつもの道の脇で土手を覆っているこれは、いままで自分にとっては雑草で「した」。この「過去形」が一つずつ消えていくのが草木趣味の楽しいところで、今年はセイバンモロコシと呼べるようになりました。
背丈よりも高く、かつ奔放に殖えて広がるので、西蛮(蕃)という荒々しい名前には気持ち良くうなずくことができます。
モロコシの方は、葉がとうもろこしのそれを細くした感じだからでしょう。中央に入る白いストライプがきれいです。ただし、残念ながら食べられる実はつきません。

<補注> 冬が過ぎ、春が来ても、完全に枯れ上がった姿はそのまま残ります。(2011年3月2日

2005年のきょうルコウソウ> 2004年のきょうコブシ

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8月24日(木) フヨウ

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どこがどう違うのだろうと先日のハイビスカスの写真と改めて比べてしまいます。もちろん二つ並べれば、まったく別物ではあります。
でも、だが、しかしです。芙蓉の学名を見たら一人で舞い上がりました。Hibiscus mutabilis、なんとしっかりハイビスカスではありませんか。
とは言うものの、ふつうのハイビスカスほど暑苦しくはなく、庭木として愛されてきたのが芙蓉です。その理由は、どうも茎や葉の涼やかさにありそうです。花の陰で涼しさを演出する葉…和の渋さです。

<これ以降のフヨウ記事(掲載順)> ☆ 裂開した蒴果(A): 2008年2月29日 ☆ 裂開した蒴果(B): 2014年2月13日 ☆ 半八重白と一重ピンクの花 : 2020年10月13日

2005年のきょうキンミズヒキ> 2004年のきょうブラシノキ

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8月23日(水) タカサゴユリ

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百合と言えば繊細な高級品っぽいイメージがあるのに、案外に風雨をものともせず、幾日もきれいな姿を見せ続けてくれます。
横向きに長くのびた花の筒は鉄砲百合とよく似てはいても、a. 筒の外側が赤紫色を帯びる b. 葉が糸のように細い…の2点から高砂百合のようです。
たいして手入れもされない学校脇の空き地に一叢あって、まるで大きな花篭が置かれたように豪華な景色です。来年もまた元気で殖えて(注1)くれますように。

<補注1> 不見識に「殖えてくれますように」と書いたことを反省です。外来侵入植物として、タカサゴユリはやや困った存在です。(2015年夏)
<補注2> タカサゴユリの危険性を示す一方で、地球の危機をも訴えていそうな一枚を掲載しました。(2020年2月15日

2005年のきょうミズヒキ> 2004年のきょうハナトラノオ(カクトラノオ)

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8月22日(火) オオボウシバナ

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そろそろ11時、陽が高くなり、早くも花びらの縁が縮んできています。もう少し早い時間なら、名前どおりの大帽子だったのに、少し残念でした。
それでも、ふつうのツユクサの2倍以上はある大きな花です。ツユクサの変種(または園芸種)だそうで、花の大きさ以外の茎や葉はまさに「ほぼツユクサ」です。
自分の姿を保てないほど大きな花には、ツユクサの持つ野の花の可憐さはありません。この花びらは友禅の下絵描きの染料(コメント参照)に使われ、なるほどそれなら花の大きさも縮みやすさも合点がいきます。

<補注1> 少しだけ鮮度の良い姿を再掲しました。(2021年9月14日
<補注2> 広い場所にたくさん植えられていたので、下絵染料効果を試してみました。(2022年7月24日

2005年のきょうクコ> 2004年のきょうハシラサボテン

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8月21日(月) オトコエシ

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去年のオトコエシは9月の21日掲載だったので、少し終わりかけのさびしい姿でした。今年はちょうど1カ月早い登場で、男の名誉挽回です。
自分の腕の悪さを棚に上げて、「くっきりしたオミナエシに比べるとなんだか見劣りが」するなどと書いたことを、きょうは撤回します。
そして今年のアピールポイントは画面を斜めに分割している茎です。女郎花のそれと比べると明らかに太くてガッシリです。多少の風にも揺らがないアスリート体型、それが男郎花なのでした。

<補注> 開花が進んできれいなところを撮りました。(2014年9月24日

2005年のきょうシロガネヨシ> 2004年のきょうガガイモ

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8月20日(日) ハナキリン

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キスミークイックという別名(英名)に独り受けです。こんな刺々しいヒトにあわててキスした日には、顔中が傷だらけになりそうです。
左奥でボヤケているのが古い茎で、完璧な棘の柱です。しかし、花や葉がつく若い茎の棘も十分に痛そうです。
真田六文銭ならぬ8個の花は、4個が1セット(1本の花柄に花が4つずつ)です。花びらに見えるピンクの部分は例によって苞で、中心の黄色い部分が本当の花だそうです。「ホウ…」なんていうつぶやきは禁止です。

<補注1> 花(苞)が黄色い品種を収録しました。(2020年9月21日
<補注2> トゲナシハナキリンを収録しました。(2024年3月2日

2005年のきょうトクサ> 2004年のきょうモッコク

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番外編 : タヌキ

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たぶん、これタヌキだと思います。先日の夕暮れに、5~6頭が近所の川の中州で生活している(らしい)のを見つけました。
れっきとした志木市域のどまんなか、市役所にも程近い場所です。志木ってじつは山奥の村だったのか、トホホ。
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川の両側が護岸壁になっていて、ここなら彼らの独立性は保てそうです。だが・しかし、雨が降れば簡単に増水する川です。狸って泳げるの? そもそもいったい彼らはどこからやって来たのでしょう?

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8月19日(土) ミニトマト(マメトマト)

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ふつうの花を撮るとき、その植物の全容、特に見分けのポイント(葉とか茎とか…)を入れながらも花をきれいに押さえたいと苦労します。野菜の場合はそれに実を加えたくなるので、面倒はさらに増します。
ナスのときもそんな泣き言を並べていて、懲りずに今回、同じナス科のトマトをようやく登場させることができました。
下の房が稔るころには、花はその上の房に移っているから困るわけで、このミニトマトは隣の株の実がうまく背景に入ってくれました。次はふつうのトマトを狙います。

<補注> トウガラシ、ピーマン、シシトウ、パプリカは学名から見ればすべて同じもの(Capsicum annuum)なのに対し、このミニトマトはふつうのトマト(Solanum lycopersicum)の変種(var. cerasiforme)として認められていました。
なお、YListではその標準和名をマメトマトとしています。(2021年8月)

2005年のきょうシロバナサクラタデ> 2004年のきょうムラサキゴテン

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8月18日(金) ゲンペイクサギ(ゲンペイカズラ)

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きのうの写真が赤と白の配色だったので、きょうも紅白でつなげてみました。しかし、色どりは同じでも雰囲気はまるで違います。
ゲンペイカズラの名前が一般的であっても、和名をゲンペイクサギというように、クサギと同属です。花(白い部分は萼)の姿がよく似ています。
もっとも、クサギの方は小高木で野山によく育つのに対し、源平の方は温室のなかか庭先の鉢仕立てしか見ることがありません。勇ましい名前とは違って寒さには弱いらしく、この辺(関東)の露地植えには適さないようです。

<補注> 屋外管理の鉢植え品を撮影しました。(2022年6月16日

2005年のきょうカラタチ> 2004年のきょうコリウス

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8月17日(木) サボテン(緋牡丹)

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羊歯や苔、水草など、それだけで一つの世界を成す植物分野があります。きょうのサボテンもそういう深い領分であって、半端な気持ちで踏み込めないとは思いながらも、この姿に自制の念を失いました。
どうしてこんなに真っ赤になる必要があったのか、ただただ微笑むだけです。
で、じっくり見ていたらフラクタルであることに気づきました。親亀の背なかに小亀…という連続関係です。そう言えばサボテンはこの構造の宝庫かもしれません。

2005年のきょうルドベキア・タカオ> 2004年のきょうシンツルムラサキ(ツルムラサキ)

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8月16日(水) センジュギク(アフリカン・マリーゴールド)

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3年目になったこのブログにマリーゴールドが初登場です。
あまりにありきたりなので見過ごしていたのが表面的な理由ではあっても、本当のことを言うと、どう取り上げていいかわかりませんでした。つまり、アフリカンとかフレンチに分けて掲載すべきか、すべて括るか、判断しかねていたのです。
この写真のようにいかにもアフリカンとはっきりすればまだしも、区分けの線上をさまようような紛らわしいものもあり、素人目では区別はあきらめた方がよさそうです…と思い定めた(注)ら、なんだかすっきり爽快な気分です。

<補注1> 本文にあるとおり、記事掲載時点ではマリーゴールドの種類を区別しないつもりで、タイトルも単に「マリーゴールド」としていました。しかし、学名で明らかに分けられている以上、区別は避けられないので、フレンチ・マリーゴールドを取り上げたのを機会に、こちらのタイトルも変更しました。(2015年6月29日
<補注2> 同属とは思いにくい種類を収録しました。(2024年11月24日

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8月15日(火) ホシオモト(パイナップルリリー)

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わざと写真を斜めにしたのではなく、自分の重さで花茎が傾いているのです。丈夫なのでほったらかしでいいとは言うものの、添え木をしてあげないと、花茎は地を這って、そこから鎌首をもたげたりします。
その花穂の先につく葉が愉快で、パイナップルという冠名はまさにぴったりです。(パイナップルリリーやユーコミスは園芸的な通称で、標準和名はホシオモト)
一つひとつの花は2~3㎝と小さくても、それがびっしりついた花穂は30㎝ほどの長さでとてもリッチな雰囲気です。花芯にもう少し赤みを帯びた種類も見かけます。

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8月14日(月) ハイビスカス(ブッソウゲ)

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お盆のうちぐらい、もう少し和風の草木を載せたらどうだろう、と自省の念がないことはありません。ただ、ハイビスカスの和名を調べたら佛桑華(ぶっそうげ)だそうで、おお、なかなかタイムリーではありませんか。
一口にハイビスカスと言っても、色は各種あるなかで、トドメはやはりこの赤です。これをトロピカルと見てしまう原因を自己分析したら、花びらの赤と雄シベの黄との対比、それに雌シベの怪しい雰囲気というところがミソに思えました。

<ハイビスカスのバリエーション・掲載順>標準タイプ ☆ フラミンゴタイプ ☆ アーノッテアヌス ☆ 八重タイプ ☆ 紫音 ☆ ロバツス ☆ ミニピンク ☆ インスラリス ☆ フラムルージュ

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8月13日(日) ヌスビトハギ

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とても慎ましやかに花をつけていて、名前が名前ですから、あまり表だっては咲けないのだろうかと不憫になります。
外来種のアレチヌスビトハギはかなりはっきりした花を見せるのに対し、和風のこちらはその気で見ていないと見逃します。去年は時期を失して、残念ながら実の写真だけしか撮れず、掲載を見送りました。
サングラス型の実とこの花とを一緒に写し込みたいと思いながら、いままで実現できずにいます。果たして実と花の時期が重なるものなのか、今年は再挑戦です。

<補注1> 翌月下旬になって、花と葉と実を入れ込んだ念願の写真を撮ることができました。(2006年9月26日
<補注2> 豆果のできる過程を見つめてみました。(2018年9月1日

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8月12日(土) カンガレイ

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群れ雀というか、あるいは松ボックリの空中浮遊状態というか、なんとなく愛らしい姿です。放置田で立派に育っていました。
似た環境に育って姿も似ているものにホタルイがあります。しかし、ホタルイの茎の断面は丸いのに対し、こちらは明らかに名前どおりの三つの稜を持っていました。

<補注1> 掲載当初は見分けポイントをよく知らないまま、これをホタルイとしていました。その後(2007年3月)、これをサンカクイに修正したものの、それもまた間違い(本文削除部分)でした。
そのいきさつは6年後に記事にしています。(2012年8月19日
タイトル訂正のたびに記事を加筆修正していたら、ゴチャゴチャしてなにがなにやらわかりにくくなったので、今回、スッキリと整理しました。
<補注2> 名前を証明する写真を載せました。(2020年12月2日

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8月11日(金) コリウス(キランジソ)

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世のなかでは「画竜点睛を欠く」という事態にしばしば遭遇します。ただ、それに劣らず「過ぎたるは及ばざるが如し」と思うことも頻々です。
植物で言うなら、このコリウスの花などはまさしくその伝です。それでなくても暑苦しい佇まいなのに、あってもなくてもいいような花は余計に思えます。
などと勝手を言われても、コリウスにとっては大きなお世話というものでしょう。しっかり生き残るためには、しっかりと咲いて虫を呼び寄せる…いやはや、植物というのは人生の師ではあります。

<補注1> 子孫を残したいコリウスには不憫なことであっても、花を咲かすと株の勢いも葉色も衰えるそうで、コリウスの花は園芸的には「徹底的」に摘むのが正解です。(2017年夏)
<補注2> シックなジゼルを収録しました。(2018年9月23日

2005年のきょうタマガヤツリ> 2004年のきょうハツユキソウ

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8月10日(木) マルバタマノカンザシ(オオバギボウシを訂正)

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彫りが深いというのは、人間だけではなくて植物の世界でも美形の条件なのだと感じ入りました。そのサイズの雄大さ(葉身30㎝ほど)に引き立てられて、深く刻まれた葉脈が見惚れるばかりの美しさです。
ふつうのギボウシは薄紫の花が多いのに対し、このオオバギボウシ(注)の花は白いので、それがまた深緑色の葉の美しさを倍加してくれます。
これだけ見目良いものが、春にはウルイとなって食卓に上るということを知りました。もっぱら観賞用と思っていたら、実用性も高いハナマル優等生でした。

<補注> 当初オオバギボウシとしていたこれはマルバタマノカンザシでした。記事は前のまま(ウルイ云々部分は削除)にし、タイトルだけ訂正します。間違い判明の経緯は2009年9月13日のマルバタマノカンザシに記載しました。

2005年のきょうベニバナサワギキョウ> 2004年のきょうゴンズイ

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8月9日(水) カボチャ(セイヨウカボチャ)

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今年はウリ科の皆さんを少しでも識別できるようになりたいと思っています。先日、キュウリを載せたときにボヤいたように、みんなガサッとした葉と黄色い花で、どれがどれやらサッパリなのです。
そこで、よそ様の畑を覗いては、花と実のツーショットを狙う日々です。そのうち、どこかでコラーッ!と叱られそうです。
なるほど、このドーンと大きな(差し渡し10㎝以上)花がカボチャでした。細かく言えば品種はいろいろあるはずでも、カボチャは花の大きさで見分けていいようです。

<補注1> カボチャの葉と蔓に注目してみました。(2017年6月17日
<補注2> カボチャの宙づり栽培を収録しました。(2020年10月22日
<補注2> ジャンボカボチャを収録しました。(2023年9月3日

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8月8日(火) ウド

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花火大会に行ってきました…なんて、ちょいと冗談を言ってみたくなる写真が撮れました。ウドの花です。
ウドと言えばすぐに「大木」と続けたくなります。しかし、一つひとつの花はごく小さくて、花の先端に見える黒いものは蟻です。よほど蜜が多いのか、いつ見てもウドの花は蟻さんでごった返しです。
根は薬用(生薬名は独活)で、体を温め風邪を追い払う効果があるそうです。妙な成句が有名になってしまったものの、大きくなってもウドはしっかり有用です。

<補注> 山菜をいただいたので、食品としてのウドの姿(茎と若葉)を掲載しました。(2018年5月14日

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8月7日(月) オモダカ

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先日の日経新聞・春秋子がこのオモダカのことを取り上げていて、朝からとても楽しい思いをしました。
清少納言はこれを「心あがりしたらんと思ふに」と評しているそうで、なるほど斜め上を向いた葉が高慢に見えなくもありません。しかし、植物にまで「生意気ね」と噛み付くなんて、それこそ心あがりしているように思えます。
一方で、同じくオモダカを見た棟方志功は「これが美しいというものか」と思ったのだそうで、こちらの反応の方が素直というものでしょう。
田んぼの隅を明るく輝かせていたオモダカです。

<補注> 類似種のアギナシを収録しました。(2017年8月8日)

2005年のきょうツユクサ> 2004年のきょうナツズイセン

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8月6日(日) ウイキョウ(フェンネル)

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およそ日本語らしからぬ響きの名前と、観賞用としてはほぼ用をなさない姿が奇妙に印象的です。自由奔放かつ支離滅裂、勝手にのびて放恣に花を咲かせます。
茴香の茴の字なんて、漢和辞典をあたってもほかに単語はありません。自分専用の字を持つ「生意気」な植物です。
それだけ生薬としての茴香は重要ということでしょう。全体にいい香りがして、ハーブとして料理に使われるときはフェンネルというかわいい名前に変わります。

<補注1> フェンネル(Fennel)は英語圏での呼び方です。
<補注2> ウイキョウの名を冠したハーブ仲間がありました。(2023年4月20日
<補注3> ウイキョウの全体像を収録しました。(2023年8月22日

2005年のきょうフサフジウツギ(ブッドレア)> 2004年のきょうイヌキクイモ

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8月5日(土) サボンソウ

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シャボンソウだと思っていたら、正確にはサボンソウでした。英名もそのままSoapwort、葉を水中で揉むと石鹸液になってしまうところからの名付けです。
この特性は、ムクロジの実エゴノキの実にも共通のもので、サポニンという成分によるものです。天然の石鹸で、サラッとします。
きのうのセンノウとはナデシコ科仲間で、花の形や葉の作りがなんとなく共通に思えます。どうせなら泡仙翁と命名すればよかったのに、面白みのない和名です。

2005年のきょうベゴニア> 2004年のきょうフヨウ

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8月4日(金) センノウ

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きのうのトコロは仲間の多い植物だったし、きょうのセンノウも「○○センノウ」という名前を結構見かけます。そのご本家(名前的に)にあたるのがこれのようです。
仲間のうちでは酔仙翁(フランネル草)や麦仙翁(麦撫子)が身近であり、松本仙翁節黒仙翁燕尾仙翁・アメリカ仙翁となるとやや珍しくなります。
それらを比較すると、やはり身近なものは小奇麗です。この写真はまだまとまりのいいところを写したものの、本家ほどうらぶれているみたいな、妙な思いです。

<追録> うらぶれているところだけでは可哀想なので、もう少し鮮度のいい段階を撮りました。それでもやっぱり質素ではあります。(撮影:2018年7月8日)
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<補注> きれいな和名を持つ、海外出身のセンノウを収録しました。(2024年7月5日

2005年のきょうブルーベリー> 2004年のきょうタラノキ

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8月3日(木) オニドコロ(トコロ)

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海の老人はエビ、ならば野の老人はなんと呼ぶでしょう? なぁーんていうクイズになりそうなトコロ(野老)です。
掘り返せば、謂れの元である豊かなヒゲ根を撮影できるとはわかっても、そこまで自由にできる場所にはなかなか恵まれません。
正式にはオニドコロと言います。トコロにはタチドコロ(未収録)などという笑える名前の種類を含め、多くの仲間がいます。それらとの呼び分けのために「鬼」にされたのでしょう。優しい見かけなのに、少しかわいそうです。

<補注> オニドコロは雌雄異株で、上の写真は雌株です。画面右上に横から見た花があり、花びらの下に長い子房があります。その子房が実となり枯れきった様子はこちらです。また、雄株(雄花)の様子はこちらです。

2005年のきょうキツネノカミソリ> 2004年のきょうスベリヒユ

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8月2日(水) モミジアオイ

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8月になったので、いかにも夏らしい1枚を載せたくなりました。ただただ「スカッと気持ちヨカァ~!」という絵です。
ところで、このモミジアオイや、あるいはもうさみしくなってしまったタチアオイゼニアオイ、みんな「アオイ」を名乗るわけで、頭に○○と付かない、純粋な「葵」ってどんなものだったか、思い出せなくて困りました。
なんと、葵は「それらの総称」で、実体はないのでした。ちなみに「葵のご紋」はフタバアオイが図案の原典だそうで、葵というのはじつに厄介な名前でした。

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8月1日(火) ミゾカクシ

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常日ごろ、見落としている草木は多いもので、このミゾカクシは初めて見つけました。じつはブリさんのブログでこれを見かけ、志木にはなかったよねー、と半ばあきらめつつ捜索をしてみたのです。
あらら、びっくり。いつも田んぼモノを撮影する場所に、元気に生育していました。
幅1.5㎝ほどの小さな花で、食虫花のような姿が不思議です。雄性から雌性に変化する花で、これは雌シベだけが目立っているので、後半の姿だと思います。

<補注1> 別名にアゼムシロやハタケムシロがあり、琉球列島にはそのハタケムシロを名乗るマルバハタケムシロがあることを知りました。(2017年9月29日
<補注2> 雄性期の花を収録しました。(2020年8月5日
<補注3> 近場に大群落ができていました。(2022年7月14日

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