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2月28日(火) ヤブラン

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先週、黄色の実を連続掲載したのに続け、きょうは黒です。
やや時期を失したのでもうしぼみ加減ではあっても、黒曜石のような輝きは遠くからでもまだまだ目立ちました。
いかにも素っ気ないヤブランという名前のせいでずいぶん損をしているように思えても、薄紫の花はなかなかシックなものでした。それが稔って緑の玉の穂になり、それから段々にここまで充実した色合いに変化してきます。小さな歴史を全部閉じ込めた、深い深い色合いです。

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2月27日(月) マンゲツロウバイ

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満月臘梅にフラレた経緯をきのう書いたばかりなのに、せっかくの写真を掲載せずにしまい込むのはいかにも残念なので、あえて素心と並べて載せてみます。
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満月の花びらは丸くて内側にカール、素心は外へ反り返るとは聞くものの、さてどっちがどっちだか、自分で撮っておいて不安です。
いかにも素心らしく、花弁の先が尖って華やかに反り返った株もあることはあっても、こんな風に悩ましいのがあるのも事実です。今年はもう深追いはあきらめます。ア、正解は…2枚目写真が満月(1枚目は素心)です。

<補注> 翌年、マンゲツロウバイに再挑戦しました。(2007年2月5日

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2月26日(日) クリスマスローズ(オリエンタリス)

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わざと寄せ集めた訳ではないのに、あれれ、クリスマスローズもキンポウゲ科でした。三日連続、この科仲間の出演になりました。
草木に好き嫌いはなくても、不得手というか困りものはあって、クリスマスローズはその代表と言えます。
ニゲル(冬咲き)とかオリエンタリス(春咲き)とか区別がいろいろある(注)らしく、これだって本当はクリスマスローズと呼んでいいものやら…。毅然と正面を向いた花は、どうも本来のうつむき加減の咲き方と違います。でもカ・ワ・イ・イ。

<補注> この「クリスマスに咲かない」クリスマスローズについては、翌年の記事にいろいろ書き込みました。

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番外編 : 地球の断面

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これ、バウムクーヘンが崩れたのではなく、石の断面です。羊羹でもなくて、石がグニャッと曲がっているのです。
画面に入っている部分が60㎝くらいはある大きな塊で、褶曲地層の実物をはじめて見ました。地球のプレスパワーっていったい何千万トン??
…と、なぜ突然に理科の時間かというと、きのう長瀞で満月臘梅にフラレたからです。珍品を目当てにはるばる出かけたのに、素心と全然見分けがつきません。悔し紛れに寄り道した自然博物館で思わぬ感動に出会いました。

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2月25日(土) フクジュソウ

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陽だまりがパッと華やいでいて、通りかかる人が皆、ワァーと声をあげます。風水パワーならずとも、この色には我々を明るくしてくれるオーラがあります。
姿・佇まいは随分違いはしても、福寿草はきのうの節分草と同じキンポウゲ科です。この科は早春に咲く仲間多士済々です。

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2月24日(金) セツブンソウ

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春の七草もそうだし、古い時代の節気・雑節をいまの暦にあてはめてしまう、しかも京基準の昔ごとを全国一律に、などという無理は本当に困りもの(注)です。
節分草はそういう意味では被害者みたいなものです。「出番はとっくに過ぎたよ」などと冷やかしたらかわいそうというものです。
「ねえ、もう春だよ、起きようよ~」「うーん、まだ眠いのォ」という感じで、今年は二輪一緒に写すことができました。そのおかげで、花びらに間違えられてしまう白い萼の後姿も確認できました。

<補注> この記事では節分を新暦旧暦と絡めて考えています。しかし、節分(またはその翌日の立春)は陰暦のズレとは関係ないと気づきました。(2013年3月4日

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番外編 : しか、かな

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きのう、あまりにもくだらない洒落を書いてしまったので、きょうは口直しです。
昔々乗っていたホンダCB50のエンジン部品です。お別れが忍びきれずに持っていたものを組み合わせていたら、こんな形ができました。
じつは最近、木村直道さんという彫刻家の作品群を見る機会があって、この人、こういう金属廃品で造形をするのが得意なのでした。それを真似したなんて言うのはおこがましくても、雰囲気をちょっとだけ思い出してみました。

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2月23日(木) カラタチ

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おとといがナギイカダで、きのうはジャノヒゲ、とくればきょうはカラタチにせざるを得なかったのです。なぜ? ハイ、赤・青・黄色…ただそれだけです。
あ、白い犬が行く。尾も白い。面白い。ヒェー、底冷えします。
とかなんとかバカなことを言っていないと、カラタチについてコメントがもうネタ切れなのです。葉が繁っていたときは見つけられなかったゴムボールが、「うわ、こんなところでみんな串刺しになっていた」…みたいな景色でした。

<このあとのカラタチ記事・掲載順> ☆ 冬芽・枝・ 若葉の芽吹き・開花・実への変化 : 2018年3月12日 ☆ 枝・葉・ナミアゲハの幼虫と成虫 : 2018年9月18日

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2月22日(水) ナガバジャノヒゲ

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蛇にヒゲとはどうも連想できず、つい龍のヒゲという呼び名に肩入れしてしまいます。しかし、どうやらジャノヒゲが標準の名前のようです。
そのジャノヒゲのなかでも、葉が短い玉竜(注)は5~6cmなのに、これはその3倍以上あります。見かけのままに、ナガバジャノヒゲと呼び分けるようです。
青く光る実は、葉が長くても短くてもジャノヒゲ類共通のチャームポイントです。しかし、ナガバの実は「ふつう」に比べるとややイビツで、少し味わいがあります。

<補注> 文中で触れた「玉竜」はジャノヒゲの品種(f.)または栽培品種(cv.)で、ふつうのジャノヒゲとは別物扱いになります。(2014年2月7日

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2月21日(火) ナギイカダ

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ナギイカダの花が開いているとwaiwaiさんのブログで知り、かねて狙いをつけていた場所へあわてて駆けつけてみました。
がっくり…。ここの株はまだまだ小さな蕾で、あとゆうに半月はかかりそうです。しかし、その落胆よりも大きな感激がありました。
へーえ、こんな真っ赤な実をつけるとは驚きました。チクチクと痛いばかりで無愛想な植物だと思っていたのに、花といい実といい、そのつく場所が不思議なだけでなく、色や形にもかなりな面白さがあります。

<補注> 実がもう少しきれいな状態を載せ直したあと、雌花(雌株)が開いた様子を収録しました。(2013年3月17日

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2月20日(月) ナニワズ

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去年は仲間のジンチョウゲ(沈丁花)と一緒に2月末に開花したのに、今年は抜け駆けで早く咲いたナニワズです。全体に花の遅い(ジンチョウゲもまだまだ)年でも、こんな慌て者のいるところが草木の不思議です。
さて、不思議はまだあって、調べるとナニワズは真っ赤な実をつけるとあります。残念ながら、まだそれを見たことがありません。
ナニワズは「はっきりしない」雌雄異株だそうで、そう言われてもこの株がいったい雌雄どちらに傾いているものやら、この夏にはぜひ実をつけてほしいものです。

<補注> 同じころ、ナニワズと同属で姿のよく似たオニシバリの花も咲きます。(2011年2月28日

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2月19日(日) マサキ

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いかにもマサキらしいマサキを見つけ、懐かしさでつい一枚です。実が白いとか葉が斑入りとかばかりが増え、「ふつう」のマサキがめっきり珍しくなっています。
…と喜んでいたらオマケまでついていました。カマキリの卵です。
この卵の位置は、毎年の雪の深さを予告するのだと北国で聞いたことがあります。現地の卵たちはこの冬のドカ雪を当てることはできたのかな?
はたまた埼玉のカマキリたちはなにを思ってこの高さに生みつけたのやら。おヘソほどの高さではありました。

<補注1> 開花の様子を収録しました。(2009年7月17日
<補注2> マサキがニシキギ属の一員であり、不思議だと思っていたツリバナの実とも仲間だったと気づきました。(2022年12月8日

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2月18日(土) タネツケバナ

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間違えて「種付け花」とあてると馬の精力剤かと思われそうです。正しくは種漬花、これが咲いたら種籾の準備を…、という暦代わりにされていた由緒ある草です。
春の七草にはカウントされなくても、若い苗は食用にもなるそうです。
こんなに早くから種浸しを始めるとは思えないのに、花を見つけてしまったのでとりあえずの一枚です。左にある妙な物体は、膝頭ではなく人差指の先です。花びら1枚は5㎜ほど、白くて小さくて、色が飛んでしまったのが残念です。

<補注1> 2月中旬でも種浸しには早すぎるのに、暮れのうちから咲いているのを見つけました。(2008年12月21日
<補注2> 本来のサイクルと思える状態を載せました。(2012年3月10日

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2月17日(金) ウメ(白梅)

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紅梅を載せてからもう1週間が経ち、白梅もこれこのとおりほころんで、どうやら春もすぐそこと感じます。
どうせ「また寒くなりましたァ」みたいにボヤくのは見え見えでも、人間のいい加減な温度センサーよりは、梅が紅白咲き揃ってくれる方がよほど確実に春の到来に期待を寄せることができます。
とか言いながら、いまだに紅梅とか白梅としか呼べないのが情けない限りです。緑萼とか鹿児島紅とか、ひと目で違いのわかる品種はいいとしても、オーソドックスっぽい種類が困りものです。

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2月16日(木) ワルナスビ

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若草で覆われる前の冬枯れの土手を眺めていたら、なにやら明るい色が見えました。
かなり萎んではいるものの、色はこんなにきれいです。はてさて、ここにいったいなにが生えていたのか、半年前を必死に回想しました。
うーん、どう考えてもここにはあの凶悪な茎と葉を持つワルナスビしかなかったはずです。ナスによく似た花の姿しか知らなかったわけで、調べたらたしかにこれはワルナスビの実でした。今年の結実を観察する楽しみができました。

<補注> この実の中身に、ちょっと驚かされました。(2011年1月28日

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2月15日(水) オオイヌノフグリ

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1週間ほど前から、野辺のアチコチで急にこの青い花が目立ち出しました。
この花が咲くところは決まって陽だまりなので、小さな花を撮影しようとうずくまっていると、そのまま昼寝しそうです。しかし、この花の見ごろはじつは昼寝の前の時間帯であることに今年気づきました。
紺色の葯が開いて白くなってしまう(右の花)と、美人度は半減すると思うのです。一日花なので、午後からは花びらが儚くなるし、どうやら朝のうちの散歩で愛でてあげるのがオオイヌノフグリの正しい鑑賞法です。

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2月14日(火) アテツマンサク

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ふつうのマンサクシナマンサクは花の中心部が赤茶色なのに、このアテツマンサクはすべてが黄色です。花びらの折れ具合も前二者よりもはっきりしているのは、あながち咲き始めのせいだけではなさそうです。
アテツという変わった語感の言葉を調べたら、岡山県の北西部の地名でした。つまりは、関東では稀少な存在です。
地図で見ると、阿哲峡とか阿哲台とかあって、景色の良いところみたいです。地元では保護活動もされているようです。

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2月13日(月) ネコヤナギ

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もう春か、みたいな安直なことをほざいていたら、おっと、厳しい寒風が逆戻りしたきのうでした。ふかふかのコートを着込んだネコヤナギの気分です。
…とまたいい加減なことを書きそうです。ネコヤナギにしてみれば、このふかふかの姿はコートを脱ぎ捨てた「春の装い」なのでした。
思えば不思議な姿で、これが花とはどうにも飲み込みにくいところがあります。ただし、たしかにこの「ふかふか」を花瓶に挿したままにすると、テーブルは黄色い花粉にまみれ、家人に小言を言われます(涙)。「人それぞれ」などはずいぶん生やさしい言い草で、草木はもっと「激しく」それぞれです。

<この記事以外のネコヤナギ・暦日順> ☆ 色づいた葉・冬芽・枝 : 2013年1月17日 ☆ 芽燐が剥けた枝とまだの枝 : 2011年2月17日 ☆ 芽燐を脱ぎ捨て中の花芽 : 2012年3月1日 ☆ 銀白色の花芽をつけた枝 : 2005年3月5日 ☆ 雄株の雄花、雌株の雌花 : 2017年4月5日

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2月12日(日) ミドリハコベ

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陽焼けを心配するほどの好天が三日ほど続き、気分的にはかなり春です。一面の枯れ草の下から、瑞々しい緑が顔をのぞかせて来ています。
春の七草の一つのハコベ(注)も、さっそく花を咲かせていました。だいたい旧暦の正月七日ごろなのでしょう。
とは言っても、「せり なずな ごぎょう はこべら…」のハコベは、正確にはコハコベのようです。きのう見つけたこの写真のものはオシベの数が多く、茎が赤くありませんでした。たぶんミドリハコベだと思われます。

<補注1> 当初は単に「ハコベ」としていたタイトルを正確なものに変更(「ハコベ」はハコベ類の総称なので)しました。ただ、「ハコベ」はミドリハコベの別名ではあるので、ふだん呼ぶときは「ハコベ」でOKだと思います。(2016年2月)
<補注2> ミドリハコベを再掲しました。(2022年3月19日

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2月11日(土) シナマンサク

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枯れても葉が落ちないケヤキが少し話題になっていました。ただし、このマンサクの枯葉が残ったままなのはなんの問題でもありません。
シナマンサクの一つの特徴がこれで、おかげで背景がゴチャゴチャして黄色の花がきれいに映えません。
ただ、今後はふつうのマンサクもケヤキのように枯葉が残る異常現象に見舞われるかもしれません。しかし大丈夫です。シナマンサクは花を包んでいた皮がとても毛深いので、もしも枯葉が紛らわしくなっても見分けは可能です。

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2月10日(金) ウメ(八重寒紅)

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魁(さきがけ)という字は、漢字のなかでわりと好きな一つです。読みは同じでも、先駆けと当ててしまうと、なんだか提灯持ちのようで軽薄な雰囲気なのに対し、魁とすると維新の志士のような風情が出てきます。
寒紅梅(早咲き品種)はさしずめ寒気を切り開く魁の役どころでしょう。斗の字が枝ぶりに似ているようにも見えて、とてもこの字が似合います。
先月の中旬に第一号の紅梅開花の報告をしたわりに、そのあとに続く梅を見かけませんでした。今度の紅梅は、どうやら本当の春の呼び水になりそうです。

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2月9日(木) ツクバネガキ(ロウヤガキ)

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根が食いしんぼのせいで、草木のなかでも実ものに惹かれてしまいます。そのせいで酷い目に遭うことが少なくありません。
去年までは「触るだけ」にしていたツクバネガキ、今年はずうずうしくも一つだけ、親指の先ほどの実をもぎとり、お味見させていただきました。
完熟を通り越して、やや干し柿っぽくなっていて、齧ると結構な甘さがあります。やったね!とニンマリしたのも束の間、ベッ、ベッ、ベーッ。まァ、栃の実に比べればかわいい苦さだね…と負け惜しみを言っておきます。

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2月8日(水) ナツミカン(ナツダイダイ、ナツカン)

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色みの乏しいこの時期、ミカン類の実はとても派手な色めで目立ちます。しかし、見分けは自分にはとても難儀です。昔からある基本種だけでも覚えたいわけで、この夏みかんはさしずめイロハのイでしょうか。
ほかのミカン類と同じように春に花をつけ、その年の秋に実を結びます。ただ、面白いのはそこから先です。
温州(うんしゅう)蜜柑ならオコタでおいしく食べられるのに、夏みかんの熟成はまだ半年先(注)です。ビワの実も、冬にできてから夏の完熟まで気長とは言え、夏みかんのじっくり加減には顔色を失ってしまうでしょう。

<補注> ナツミカンの可食時期について、上の文中表現には問題がありました。当地(埼玉・志木)で実食レポートを試みました。(2014年3月5日

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2月7日(火) ボケ

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先週、屋外でお昼をいただいたのが夢だったみたいに二度目の雪が降り、やはりこの冬はちょいと手ごわいようです。
ボケは昨冬と比べて開花がひと月以上遅れました。先日のマンサクには意表をつかれたものの、早咲きの花たちはほぼ30~40日も出番が遅れています。
その分、どこを見渡しても枯れ色だけという期間が長かったことになります。北国の春ならいろんな花が一斉に咲き出すのがふつうでも、今年はここ志木でもそんな気ぜわしい季節を迎えるかもしれません。

<補注> ボケの実はこちら、黄花種はこちらです。

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2月6日(月) アリドオシ(実つき)

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思いのほか、ということはあるもので、きのうのアリドオシがまさにそれでした。このブログにしては珍しく3件も(笑)コメントをいただき、本人がびっくりです。
ならば、とすぐ乗りやすい性格なもので、「たしかあすこに…」という淡い記憶を頼りに、実つきのアリドオシを探しに行ってきました。
おお、神のご加護はまだ我に…、と感動しながらきのうゲットしたのがこの一枚です。うーん、たしかに、これでは「一両」と言われても仕方ない実でした。

<これ以降のアリドオシの記事・掲載順>実がもう少しきれいな様子 ☆ 少し情緒的に実をとらえた写真 ☆ 花の様子

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2月5日(日) アリドオシ

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悪戯で楊枝を刺しまくったように見えるアリドオシの枝です。棘の長さは1㎝ほどで、実際には小さな木です。
千両万両、有り通し」という洒落で、盆栽の三点セットにして床の間の正月飾りにされる縁起ものです。
本当は「蟻をも通す」という残酷な名前なのに、いまではすっかりめでたい木として珍重される存在です。そんなアリドオシをいまごろ載せ、かつ肝心の実はなし(注)という体たらくでは、今年も我が家は金運には見放された一年になりそうです。

<補注> 珍しく3件もいただいたコメントに押され、実がついたアリドオシを翌日すぐに載せました。(2006年2月6日
<翌年以降のアリドオシの記事・掲載順>実がもう少しきれいな様子 ☆ 少し情緒的に実をとらえた写真 ☆ 花の様子

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2月4日(土) コウヤボウキ

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頬に紅をさすときに、こんな刷毛を使いそうです。コウヤボウキの花後です。
紅が移ったパフのように見えるのは冠毛なのに、遠目にはピンクの花かと思うほどです。種が成熟して、冠毛が風に吹かれるころにはこの赤みが抜けて白練色になって(注2)、それもまた美しいものです。

<補注1> 開花時の様子を収録しました。(2008年10月25日
<補注2> 文中、冠毛が色変化をすると書いたのは間違いでした。どうも、冠毛にはピンクに色づくタイプと白いタイプがあるようです。(2013年2月7日

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2月3日(金) ソヨゴ

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とても豊かに実をつけたソヨゴの木を見つけました。この時期、風に揺れるこの真紅の実を見つけると、寒さも忘れてしまいます。
ただ、ソヨゴを漢字にすると冬青です。この実が主役なら冬赤のはずなのに、残念ながら実は脇役で、冬なお青い葉がソヨゴのレーゾンデートルなのでした。
この葉を火に炙ると膨らむからフクラシバという物騒な別名もあるとは言え、風にそよぐこの葉のかそけき音を愛でた本名にはなかなか印象深いものがあります。

<補注> 庭木ではない、山のソヨゴを載せました。(2017年11月21日

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2月2日(木) ムラサキシキブ

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もう少し濃い色のままの実を残しているムラサキシキブもあるというのに、この「抜け」てしまった幾粒かに惹かれてしまいました。
話はいきなり飛んで、「抜け」ることができるという友人がいます。静かに座っているときなど、離脱して中空に漂うことができるそうです。
そんな能力などない凡人としては、せめてこのムラサキシキブの抜け具合を見つめ、しばし浮遊した気分を味わうことにします。じー…、あ、浮いたかも…。

<補注> コムラサキの実はあまり「抜け」ないようです。(2020年12月23日

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2月1日(水) ホウレンソウ

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力強い緑のホウレンソウ畑がありました。そろそろ旬のようです。
まだまだ野菜が高いとは聞いても、こんなにしっかり育っているのを見るとどうも怪しい気配(価格操作か?)がします。
店先では「連草」と略式で書かれたりしていても、正式な漢字表記は菠薐草と難読文字です。ペルシャ方面のことを昔の中国でこう呼んだそうで、原産地がしのばれます。同じペルシャでもハルシャギクの場合は波斯とあてます。いまも昔も複雑な土地柄らしく、表記も一筋縄では行きません。

<補注1> ホウレンソウのハウスを覗いてみました。(2015年1月18日
<補注2> ホウレンソウの花を見ました。(2020年6月4日

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