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8月31日(水) サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ)

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26日に載せたタマスダレとは兄弟関係みたいなサフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ)です。どちらもゼフィランサスとかレインリリーと呼ばれます。
しかし、花が白いかピンクかの違いだけでなく、花の大きさもサフランモドキの方がふた周りほど立派です。葉も、タマスダレが名前どおり断面が丸いのに対し、こちらは真田紐のように平らです。
サフランモドキに似たものに、同じヒガンバナ科で、同じくレインリリーと呼ばれるハブランサス(注2)があります。ただ、そちらは横向きに咲きがちだし、花芯の色が濃くなる(サフランモドキと逆)ので区別できるようです。

<補注1> 当初、この記事のタイトルは「サフランモドキ(ゼフィランサス・グランディフロラ)」でした。15年後、再掲に当たって学名を調べ直したら、グランディフロラは異名で、標準はカリナタでした。タイトルと文中補足を訂正しておきます。(2020年6月8日
<補注2> 長い間、「これこそハブランサス」と言える写真を撮れなくて、ついに自分で育ててみました。その結果、上の本文に書いた「なにかの引き写し解説」はあまり妥当ではなかったので、その部分は削除扱いとします。(2020年8月17日

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8月30日(火) メランポジウム

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きのうは、自分のうれしさのあまり、やや稀少種っぽいものを掲載してしまいました。反省して、きょうはとても身近な花です。
とは言うものの、どこにも落とし穴はあるもので、このタイトルをつけるときにハタと迷ってしまいました。口では「メランポジ○…」とごまかしていたのに、Melampodiumをカタカナで書き表すと、ジウム?ジューム?
検索したら、ジウム=3,510件vsジューム=900件とジウムが多数派です。日ごろ頼りにしているサイトがジューム派だったりして、心揺らめくものはあっても、ここは一応長いものに巻かれておくことにします。

<補注> その頑強な性質を褒めあげました。(2023年9月1日

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8月29日(月) ソラヌム・ラントネッティ

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きのうはとてもうれしい日でした。この紫の花が賑やかな植物の名前 = 2~3年調べていたのにわからなかった = をようやく解明できたからです。
市役所脇の土手にあり、胸の丈ほどに大きく育っています。しかし、ちょいと他所では見かけません。ググッてもたった26件しかヒットしません。こんな珍しいものがどうしてここにあるのか、かなり不思議です。
調べる糸口もなかったこれまでと違い、今年は花や葉の様子からナス科と判断でき、そこから正体を割り出しました。まだ和名もない(注1)この花、さてこんな意味不明の名前をどうやって覚えるか、それが問題です。

<補注1> 「まだ和名もない」と書いてから10年、シホウカ(紫宝華)という呼び名を知りました。ただ、それは近縁種のソラヌム・アヴィクラレ(Solanum aviculare・未収録)のことらしく、ラントネッティの方もシホウカと称していいのか不明です。
なお、記事掲載時点ではグーグル検索が26件しかヒットしなかったとあるのに、先ほど「ソラヌム・ラントネッティ」で検索したら8,780件になっていました。10年でネット情報は急拡大しています。(2015年5月24日)
<補注2> この植物の現在の学名はLycianthes rantonnetii(属区分変更)です。ただし、園芸的には旧属名のSolanumが生きているので、タイトルは従前どおりとしておきます。(2021年夏)
<補注3> いつも参考にさせていただく「三河の植物観察」さんが、このLycianthes rantonnetiiにムラサキハナナス(紫花茄子)という和名を当てているのを見つけました。YListのLycianthesの項にはrantonnetiiがまだ収録されていなくて、このブログのタイトルは変更せずにおきますが、なかなか適切なネーミングに思われます。(2023年夏)

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8月28日(日) ヤブラン

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ヤブと聞くと、どうしてもあの黒と灰色の縞模様の吸血鬼を連想して痒くなります。木陰ランとかにしてくれれば良かったのに…。
肉厚で艶めく葉は四季を通じて美しく、そして夏には控えめな色合いの花が暑さを忘れさせます。冬には黒曜石のような実が可愛らしく風に揺れます。
さらに、乾燥させた根は麦門冬(ばくもんどう)という漢方薬にされ、咳に効くそうです。見た目は渋いが実利あり…、玄人っぽさが漂います。

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8月27日(土) ハゲイトウ

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町でハゲイトウをあまり見かけなくなった気がします。背丈ほどにものびて、太い茎から赤紫の葉を垂らした姿は壮観で好きなのに…。
都会化が進むと、大きな植物は敬遠されがちです。やっと見つけたこの葉鶏頭も矮性で、スネまでもない丈のくせにもうこんなにきれいに色づいていました。
落葉しないのに色変わりするのは、ふつうの紅葉とは意味がまるで違うようです。秋を迎えてですから日除け目的ではなさそうで、やはり虫寄せのためでしょうか。

<補注> 遅ればせながら、ハゲイトウの仕組みを理解しました。(2016年9月5日

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8月26日(金) タマスダレ

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どうやら台風11号は無事に通過した様子で、今朝は雨が小降りです。
雨があがったあすは、このレインリリーが咲き誇るはずです。「雨に咲く花」なんていう古い歌は別にして、この花は雨の「あと」が大好きなのです。
標題にしたタマスダレは和名です。多肉質で円柱状の細い葉を、簾(すだれ)にたとえたようです。別名のゼフィランサスは属名で、同じくゼフィランサスと呼ばれる仲間には、花がピンクのサフランモドキがあります。

<補注1> タマスダレの園芸品種を収録しました。(2020年10月24日
<補注2> タマスダレの種を確認しました。(2020年10月30日

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8月25日(木) ルコウソウ

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おとといのミズヒキから「おめでた路線」で来ました。やや「めでた疲れ?」したので、紅白のルコウソウでいったん締めることにします。
褸「紅」草というくらいで、花色は赤に決まってると思っていたら、白もありました。調べたらピンクや黄色もあるそうで、うーむ、そりゃゲテモノ趣味でしょう。
「褸」の字はボロの意味(注)で、この美しく深裂した葉にはやや失礼です。おかげで、仲間の丸葉褸紅紅葉褸紅にはみんなボロがくっついてしまいました。

<補注> 「褸」にはボロのほかに「糸のように細い」という意味があり、命名としては大変に正しいことになります。本文最後の段落は余分でした。

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8月24日(水) キンミズヒキ

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きのうのミズヒキは、じつは今朝のための呼び水だったか…、キンミズヒキです。
うーん、しかしどう見たってミズヒキと名乗るには無理がありそうに思えます。花はキン「トラノオ」と言った方があたっているし、草丈はミズヒキの3倍もあります。
あえて似ているところを探せば、撮影をやたら梃子摺らせてくれることでしょう。揺れること・揺れること、見つめていたら、酔っ払ってしまいました。

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8月23日(火) ミズヒキ

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去年の苦闘を思い出すと、少しはマシな写りになりました。もちろん、上手な人の写真を見てため息をつく状況にはなんの変化もありません(涙)。
しかしまあ、このミズヒキの撮影には苦労します。もしフィルムカメラだったら、いったいいくら無駄にしたことでしょう。
などとケチな計算はやめましょう。なにせ水引です。ご祝儀に出費はつきものです。

<補注1> ほんの少しマシに撮れました。(2010年10月4日
<補注2> 花をきれいに撮る課題は棚上げにしたまま、冬の姿の美しさに目覚めました。(2016年12月16日

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8月22日(月) クコ

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クコです。あの薬膳料理の…。食い気ばかりだったので、あの赤い実になる前がこんなシックな色だなんて、想像もしていませんでした。
去年、近くの土手で実をつけている株を見つけました。たぶん鳥が種を運んだのが育ったのだと思います。
生食でもほんのり甘くておいしかったのに、試しに天日干ししてみました。1カ月でそれらしくなったものの、姿かたちは市販品のように美しくはなりませんでした。

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8月21日(日) シロガネヨシ(パンパスグラス)

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いやはやもぉ、暑いです。なので、秋風を思わせるこんな絵柄にしました。
写真にしてみると、ただのススキみたいで迫力が足りなくても、じつはうーん!と見上げる高さです。最初はダンチクかと思ったくらいです。もっとも、茎や葉が細いし、穂の混み具合がぜんぜん違いました。
英名はパンパスグラスで、あの南米の大草原がご出身地だそうです。もちろん行ったことなどないわけで、こんな叢(くさむら)が見渡す限り続いているのかと思うと、貯金を始めたい気持ちがちょっと湧き上がってきました。

<補注1> この雄大な姿は冬まで残ります。(2010年12月23日
<補注2> シロガネヨシは雌雄異株と知りました。(2017年10月5日

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8月20日(土) トクサ

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季節外れの土筆(ツクシ)…ではありません。
胞子嚢穂のサイズは本物のツクシとほぼ同じ(か、やや大きい)でも、春ではなく夏にこんなかわいい姿を見せるトクサです。
トクサは木賊とか砥草と当てます。昔はこの茎で木を磨いたらしいので、意味的には砥草の方が妥当でしょう。木賊は漢名だそうで、漢字試験とかに出そうです。

<補注1> 妙な育ち具合のトクサはこちら、仲間のヒメトクサはこちら、胞子が放散される様子はこちらです。
<補注2> メキシコ・ジャイアント・トクサを収録しました。(2019年8月21日
<補注3> オオトクサを収録しました。(2022年12月31日

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8月19日(金) シロバナサクラタデ

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1mほどの高さで白い穂が風に揺れています。ここひと月ほどで見ごたえがさらに増したシロバナサクラタデです。
じつはこのシロバナサクラタデ、ここには初登場であっても、「蔵」にはすでに先月の22日に収録済みです。そのころから十分に目立っていました。
ところで、シロバナはそのとおりでも、名前の核になるサクラタデ(注)をまだ見ていません。蓼喰う虫も…、とバカにはされても、タデだけでなかなか広い世界です。

<補注> サクラタデを収録しました。(2013年10月9日

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8月18日(木) カラタチ

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そもそもミカン科だし、春には花も見たのだから、実ができるのは当然と言えばそうなのに、まったく意識していませんでした。なにげなく見上げた枝に、緑色のピンポン玉みたいな実を見つけてびっくりです。
ユズよりもまだ小さいサイズの実なのに、なかの種はガッチリした大きさで、しかもギッシリ詰まっています。これではまったく食用にはならないと思います。
それでも、もしかしたら隠れた美味なのでは…と確認してみました。ハイ、暑気払いには最適です。素晴らしくて震えがきます。秋に熟したら再挑戦(注)してみます。

<補注> 熟しても食用に不向きなことは変わらず、人間にも鳥にも無視されて、冬遅くまで実は枝に残ります。 (2006年2月23日

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8月17日(水) ルドベキア・トリロバ(タカオ)

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このルドベキアという種類はなかなかの大家族で、誰が誰やら混乱します。
まずは、おととい載せたオオハンゴンソウで、学名の頭にはRudbeckiaがつきます。野生化したルドベキアだそうで、今朝のものもその意味では十分に野生化して空き地を埋めていました。「蔵」には別のタイプのルドベキアも収録してあります。
本当は「Rudbeckia ○○」と一つずつ整理しなければ…と思いながら、それは今後の課題(注)と逃げておきます。

<補注> この記事掲載からじつに13年後、ルドベキア・タカオとしていたタイトルをフルネームに修正することができました。(2018年8月16日

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8月16日(火) ゴマ

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去年5月の写真には花しか見えていないのに、3カ月も違うと莢がしっかり膨らんでいました。スックとのびた茎が並ぶ畑はとても美的です。

しかし、いつかどこかでゴマと間違えてチョウセンアサガオの種を食べてしまった家族がいたそうで…。どうやったらあの爆雷みたいな実をゴマと思えるのでしょう。
と言いつつ、先日はイヌゴマをクルマバナと間違えたたワタシです(懺悔)。「散歩中の老人、野草を食べて卒倒」なんてニュースになる虞は十分です。

<補注1> 収穫したゴマの莢から種がこぼれていました。(2009年10月24日
<補注2> 葉がゴマのそれに似ているというゴマナと比較したら、上の写真の葉はややスマート過ぎに見えます。(2020年10月8日)どちらかと言うと、本文中でリンクした2004年写真の葉の方がゴマナのそれには近いようです。

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8月15日(月) オオハンゴンソウ(ルドベキア・ラキニアタ)

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いま、この画像を選んでから、その偶然に自分で感心してしまいました。この草の名前はオオハンゴンソウ、漢字にすると大反魂草です。
反魂とは、♪越中富山の反魂丹なんてあるように、死者の魂を呼び戻す・生き返らせること。なんともお盆にふさわしいというか、終戦記念日らしいというか…。
もっとも、反魂の謂れがわかりません。また、反魂草は在来の小ぶりな花なのに対し、大(花径5㎝以上)は北米産の帰化植物で、殖えすぎて嫌われています。

<補注> 記事掲載当時(2005年)もすでに「嫌われて」いたようで、現在では「特定外来生物」として駆除対象になっています。
久しぶりにこの記事を読み直し、これがルドベキアの種類であることを補足しようと学名のカタカナ読みをタイトルに加えました。(2018年8月15日)

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8月14日(日) サネカズラ

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去年の秋、いきなり不思議な実を見つけたときの驚きはいまだに忘れられません。緑の藪のなかに赤黒く光る奇妙な物体=だれかのイタズラかと疑うほどでした。
そこで、この花にはとても期待しました。待ちに待った開花です。実のインパクトに比べるとややフツーっぽくても、これはこれで十分に美的です。
この芯が赤いのは雄花で、ちょいと触るとポロッと落ちます。植物の雄の可憐さ・はかなさにはいつも同情するばかりで、我ら人間の雄はしぶとく強くありたいものです。

<補注> 雌雄の花を比較した写真はこちらです。

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8月13日(土) ニガウリ(ツルレイシ)

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爆発しちゃったゴーヤです。ふつうは緑色状態で食べるものを、それを収穫せずに放置すると、こうしてブワッと中身がはじけます。
血糊のような赤い残骸が見えていて、こうなった種はおいし~い甘さです。あのニガウリのエグさからはぜんぜん想像がつかない味です。
おっと、ゴーヤと言い、ニガウリと言いながら、タイトルにはツルレイシと補足しました。植物的にはツルレイシまたはレイシ、野菜的にはニガウリ(=標準和名)で、それを沖縄的に言うとゴーヤ…と、こんな関係の名前連環です。

<このあとのニガウリ記事・掲載順> ☆ O型に丸く育った実 : 2007年10月27日 ☆ 熟して割れた実と青い実、雄花・葉・蔓 : 2009年7月9日 ☆ 雌花・子房・葉・蔓 : 2009年8月11日

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8月12日(金) ニチニチソウ

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夏の花壇の定番だと言うのに、このブログには初登場です。
「日々」という名前にたがわず、毎日よく花をつけます。ねじりを持った蕾(写真中央)がすごくエネルギッシュです。

<補注> これだけ次々と咲けば、実(種)もどんどんできるのだという理の当然に気づいたのは、なんと14年後のことでした。(2019年8月11日

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8月11日(木) タマガヤツリ

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カヤツリグサの仲間で、ふつうに言えば雑草でしょう。ただ、このボンボリのかわいらしいこと、道端に打ち捨てておくにはもったいないほどです。
勧進帳の弁慶の胸にこんなボンボリがついています。さて、NHK大河(注)のマツケンはいったいどんなコスチュームで安宅関を越すのでしょう。
…という話はどうでもよくて、そのかわいい小穂の集合部から下にのびている茎が三角断面なのがカヤツリグサ類の特徴です。フサフジウツギのところでパイプ断面のメリットを言ったのに加えると、三角断面というのも構造的には強いはずです。進化の途上でのいろいろな選択を思い起こさせます。

<補注>2005年は「義経」で、弁慶役が松平健でした。
<ほかのカヤツリグサ(Cyperus)類・収録順>ヒメクグ ☆ シュロガヤツリ ☆ カミガヤツリ ☆ ホソミキンガヤツリ ☆ コゴメガヤツリ

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8月10日(水) ベニバナサワギキョウ(ヨウシュサワギキョウ)

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2週間ほど前の雨上がりの画像です。初めて見た花を写したまでは良かったものの、調べても調べても正体がわからず、あきらめていました。
花の様子からサルビア関係を調べていたのは、あまりにも浅知恵でした。葉っぱがなんとはなしに違い過ぎます。ロベリア(キキョウ科ミゾカクシ属)の種類でした。宿根ロベリアと呼ぶ仲間のようです。
ヨウシュサワギキョウとかアメリカサワギキョウという別名があるにはあっても、響きの美しい紅花沢桔梗(注1)で覚えることにしました。

<補注1> ベニバナサワギキョウが標準和名です。
<補注2> 本来のサワギキョウは花色が紫です。(2010年9月1日

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8月9日(火) シコンノボタン

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花の色合いからでしょうか、やさしいビロードのような葉のせいでしょうか、涼しげな秋の気配を感じさせるシコンノボタンです。
しかし、花から目を移せば、まだまだ暑さは盛りも盛りです。本来の花期は秋のはずなのに、意外に早くから咲き出していました。
面白いのは英名で、なんとスパイダーフラワーですと…。紫紺野牡丹というやや概念的な命名に比べると、彼我の発想回路の違いに感嘆するばかりです。

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8月8日(月) イネ

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イネの花を見るたびに、Tさんの渋い呟きを思い出します。
お互いに健康管理が必要になった年ごろで、ワタシが朝の散歩を勧めたところ、「そんなことしたら、近所にのけ者にされちまう」…。半農半サラだった彼は、朝は田んぼを見回る「仕事」があったのです。
Tさん、今年の田んぼのでき具合はいかがですか。あとひと月もすれば稔りの季節ですね。今朝もしかめっ面で畔を歩いているだろうTさんを思いながら、心してシャッターを押させてもらいました。

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8月7日(日) ツユクサ

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タイトルに反して、今朝の主役は小さなカタツムリ君です。
「カタツムリを見つけたら写真を載せよう」みたいなブログ企画をどこかで見た気がするものの、志木ではまだときどきこうして出会うことができます。それにしても素敵な揺りかごを見つけたものです。
と、念のため調べたら、ツユクサ君はこのブログには初登場でした。せっかくのデビューを脇役扱いしてしまいました。

<補注> ツユクサのシベの構造について触れました。(2008年9月22日

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8月6日(土) フサフジウツギ

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初夏のころからビヨーン・ビヨーンと元気に長い花房をのばします。写真の色のほかに、白(注3リンク先)や紫も見かけます。
それにしてもウツギ(空木)と呼ばれる低木類はいろいろあります。科や属はちがっても、中空の枝を持つものは多い訳で、パイプ状という構造的な強さは自然界でも重用されているのでしょう。
ブッドレア(注2)という呼び方が浸透してはいても、響きがどうにも興醒めです。ちょいと舌を噛みそうではあっても、房藤空木とやさしく呼んであげようと思います。

<補注1> 房が枯れ始めた頃合いはこちら、空木(うつぎ)の証明はこちらです。(2018年8月19日)
<補注2> 園芸的に多用されるブッドレアは属名(Buddleja)であり、必ずしもフサフジウツギだけを指すものではありません。また、そのBuddleja類のなかで和名が一番単純なのはフジウツギです。上の写真の枝にはわずかに稜が見られ、フサフジウツギにはそれがないとされているので、記事タイトルは暫定としておきます。(2019年7月21日
<補注3> 補注2で「わずかに稜」とした枝具合は誤差の範囲ではないか(鰭のように尖った稜ではない&下方の枝にはそれがない)と思います。それよりも花が完全に全周についているので、これはフサフジウツギでOKとしておきます。(2019年8月20日

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8月5日(金) ベゴニア(シキザキベゴニア、ベゴニア・センパフローレンス)

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いつの季節でもどこかで見かけている気がします。しかし、それでもやはりベゴニアには夏の盛りが似合うようです。
厳冬のさなかに倒れた父が、一命だけはとりとめて、夏の朝、車椅子からこのベゴニアに手をのばしたことが思い出されます。言葉も出せなくなっていたものの、目が「きれいだなぁ」と語っていました。
病に伏すまでは草木への興味などせがれに見せることのなかった人で、そんなに気張らずに過ごしていれば、もっと長生きできただろうに…、逝ってからもうずいぶん経っても、なにか苦い思いのするベゴニアです。

<補注> 「ベゴニア」と名のつく種類はいろいろです。(和名50音順)
エラチオール・ベゴニア ☆ 球根ベゴニア ☆ 木立性ベゴニア ☆ 原種系ベゴニア ☆ 根茎性ベゴニア ☆ レックスベゴニア

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8月4日(木) ブルーベリー

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おや、これはもしやブルーベリー? いやここは志木ですよ、もう少し涼しいトコじゃないと? というのが発見したときの独り言です。
しかも、ブルーベリーの実は知っていても葉を知らなかったので、味見する勇気も出ません。ひたすらパシャパシャして来て、いま、葉を確認したところです。
ブルーベリーって、もう少し特殊な形の葉かと勝手に思っていました。へー、ツツジ科でした。たしかに、これはツツジっぽい葉です。あーぁ、お味見すればよかったぁ。

<補注1> このあと、冬にピンク系の赤が美しい紅葉を載せ、次の春には純白の花を収録しました。
<補注2> 花がピンク系の樹種を収録しました。(2021年3月19日
<補注3> 実の先端が冠状になっているわけがわかりました。(2021年5月16日
<補注4> 写真の実のように、熟して紫になる前(真夏)、ウサギの目のように赤(強いピンク)くなるのは、いくつかあるブルーベリーの系統のなかで「ラビットアイ」と呼ばれる品種群のようです。(2021年8月6日

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8月3日(水) キツネノカミソリ

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夏の花だけ見ても、どうして「狐の剃刀」なのか合点がいきません。いくら狐でも、こんな花びらで顔を剃るワケがありません。
じつは、剃刀に見えるのは春の葉で、ヒガンバナと同じ種類なので花のころには葉がなくなってしまいます。
夏の木陰で狐火のように咲くこの花に魅せられ、翌春になって水仙を小さくしたような葉を見つけ…、という気の長~い命名ではないかと微笑んでしまいます。

<補注> 5年後の同じ日、大きな群生を載せました。(2010年8月3日

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8月2日(火) カナムグラ

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カナムグラというやや恐ろしげな名前とはうらはらに、若葉の淡い緑色は一服の清涼剤たりえます。新芽は進出先を虎視眈々と狙っていて、なんとも凶暴な資質が露わでも、そこがまたかわいいのです。
そこで、つい手をのばしてナデナデしてあげたくなるわけで…。あうっちょー、痛いじゃないかい! 葉も茎も、どこもかしこも棘だらけです。
あー、またやってしもうた、と我が身のアホさ加減を反省しつつ、前に同じことをしたのはいつ?と検索したら、熟した黒い実に惹かれた8カ月前のことでした。

<補注> 秋、まず雄株の雄花が咲き、少し遅れて雌株の雌花が開き、それが次第に色づいて実になります。

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番外編 : すいかサンド

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ただいま夏休み中であって、ノヘッとかクタッとか、そんな形容のふさわしい無目的な日を過ごしております。こういうときは案外にくだらないことに意欲的になるもので、トーストに西瓜の切り身を載せてみました。
これがじつにイケます! 夏の朝にふさわしく、さっぱり&ジューシー。多少食欲が落ちていても、厚手のトースト1枚ペロリ。言わば、超~薄味の冷えたジャムをタップリとパンにのっけた感じでしょうか。
トーストはこんがりカリッと焼くがよろし。西瓜の種はもちろんマメに取り除きます。おっと、間違ってもバターなぞ塗っちゃなりません。暖かなトーストとひんやりの西瓜、これって江戸前の握り感覚かも…。

<補注> 続編の巨峰サンドもなかなか!でした。

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8月1日(月) シマサルスベリ

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やあ、白いサルスベリも開き出したねえ、と花を写しながら、なにか釈然としません。どうも視界に妙なものが入り込んでいる気がします。
葉です。葉が、あの丸くて先端が窪んだりする形ではないのです。先が尖がって、さらにワサワサと大きめで、いったいこりゃなに?
どうやらこれがシマサルスベリのようです。幹がまだ剥けていない若木だったので、10mを超えるという成木に育つのが楽しみです。

<補注> 巨大なシマサルスベリの並木はこちら、シロバナサルスベリとの比較はこちら、ふつうのサルスベリとシマサルスベリの実を比較した記事はこちらです。

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