6月16日(月) ムラサキツリガネツツジ

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花の赤色が濃くて、紫と形容されてもあまり抵抗がないし、その形を釣鐘と称することにはさらに素直に頷きます。ムラサキツリガネツツジ…いい名前です。
その花よりもさらに特徴的なのは花柄や萼や葉の毛です。これは他の類似種との見分けポイントになるらしいので、しっかり目に焼き付けておきます。
富士山の周辺が生息域で、しかも絶滅危惧種です。同属(Menziesia・ヨウラクツツジ属)のガクウラジロヨウラクはもう少し見かけやすくて、せめてあの程度にポピュラーになってくれないものかと無理なことを考えてしまう美しさです。

過去のきょう 2024 ヤマウルシ 2023 アブラギリ 2022 ゲンペイクサギ(ゲンペイカズラ) 2021 ヘメロカリス 2020 ヘリコニア・フミリス 2019 ヒメコウホネ 2018 ヤナギイチゴ 2017 アカガシワ 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(日) トサシモツケ

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コデマリにしては花房が大き過ぎるし、花の時期が少し遅いとか、シモツケにしてはこのシュッとした立ち姿があまりに美的だとか、解せません。さてその正体は…。
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Spiraea(シモツケ属)のなかでこの木を特徴付けるのは、まず葉の形です。倒披針形のスマートさがとてもよく目立ちます。そしてもう一点が雄シベで、花びらよりも長くのび出ています。それらを考慮すると、これはトサシモツケとなりそうです。
別名にはホソバイブキシモツケがあって、この木の理解に役立ちます。細葉は上に述べたように大切な特徴だし、伊吹は自生が土佐だけに限るものではないことを示しています。ふだんは「名前は一つでいい」と思いながら、ご都合主義の爺です。

過去のきょう 2024 ツマトリソウ 2023 プヤ・アルペストリス 2022 タケシマホタルブクロ 2021 チャンチン 2020 ベニガクアジサイ(ベニガク) 2019 シロバナハマナス 2018 シュンギク 2017 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月13日(金) オニヒョウタンボク

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木の高さや枝張りは、先日掲載のハナヒョウタンボクと同じくらいに感じました。ただ、ハナヒョウタンボクは花の2個セットを見せていたのに対し、こちらはすでに実の2個セットです。同属とは言え、開花・結実タイミングは微妙に違うようです。
その実の付け根に変なヒモがついていて、これは線状の苞だと言います。ハナヒョウタンボクの写真を見直しても萼の付け根にはなにも見えません。じつはどちらも同じパーツがあるのに、ハナヒョウタンボクのそれは早いうちに落ちるらしいのです。
加えて、葉のふくよかフォルムも目立ちます。これでは鬼ではなく阿亀(おかめ)だろうと思ったら、樹皮が荒々しく剥けるのが鬼と呼ばれる由来でした。薄皮(写真左下部の嵌め込み)が剥けると、サルスベリのようにツルツル(同右)になります。

過去のきょう 2024 サルビア・ビリディス 2023 サフィニアブーケ・ゴールド 2022 オオニワゼキショウ 2021 カシワバアジサイ 2020 ショウキウツギ 2019 アセビ 2018 テンジクスゲ 2017 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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6月10日(火) タンザワウマノスズクサ

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このサクソフォンみたいな花に初めて出くわしたのは19年も昔の夏でした。なんじゃこりゃ~と腰が引けたことをいまだに思い出します。
以降、ウマノスズクサを名乗るものはアリマオオバを収録できているので、これが4種類目のサクソフォン(笑)になります。そして、それらのなかではもっとも花つきが良くて、上の写真には8台(www)も一緒に写り込んでいます。
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たった4種見ただけで言うのは気が引けても、このタンザワウマノスズクサの花はこれまでで一番の美しさです。開口部に縞模様が入るのはオオバと同じでも、条線の濃さや鮮明さがまるで違うし、筒の内部にまで斑点があって念入りです。

過去のきょう 2024 アクシバ 2023 ツルハナナス 2022 クレマチス・プリンセスケイト 2021 メカルドニア 2020 カンガルーポー 2019 ムラサキスズメノオゴケ 2018 ガジュマル、ほかいろいろ 2017 セッコウガキ 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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6月9日(月) カザグルマ

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クレマチスのなかにカザグルマという品種があることは知っていても、その「いかにも」な名前からして園芸種なのだろうと思っていました。無知蒙昧の徒です。
なんと絶滅危惧種ですか。こうして陽光の下で元気なお姿を拝することができたのはとてもありがたいこと…あえて「有り難い」と表記すべき幸運でした。
小葉が3ないし5枚でもタイプは羽状複葉なのだそうで、知らずに眺めると三出小葉と勘違いしそうです。そんなわがままっぽい葉に比べると、花びら(ではなくじつは萼)はどれもきっちり8枚で、すべてが気儘ではなくて帳尻が合っています。

過去のきょう 2024 ヒカリゴケ 2023 ジャガイモ(メークイン&品種不明) 2022 ベニヒメリンドウ(エキザカム) 2021 ニッケイ 2020 ヤブデマリ・ピンクビューティ 2019 キュウリノキ(ナガバノゴレンシ) 2018 タチアワユキセンダングサ 2017 トウキ 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(日) ハナヒョウタンボク

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ようやくハナヒョウタンボクの開花期に出会いました。豪華な稔りの姿をここに載せてからもう7年です。同属のヒョウタンボク(標準和名:キンギンボク)ならば実も花もわりと順調に収録できたのに、縁というのはときどきゴネてくれます。
そんな「ようやく」の思いを脇に置いても、これだけの高さ(4~5m)の木が満艦飾になるわけですから、大満足の眺めでした。キンギンボクが文字どおり金銀二色で綾なすのに比べると、こちらは白がとても優勢です。地面に落ちた花もそこそこ白いので、時間経過で黄色く退色する性質はあまりないのかと見ました。
かつ、ほぼ平らな目線で見ることができるキンギンボクに対し、こちらはどの木もどの木も見上げる角度で、太陽光線をもろに受けての観察です。花がやたらに白く輝いていた記憶は、そんな条件もあってのことだったことを忘れてはいけません。

<補注>同属ではあっても、オニヒョウタンボクのリズムはやや早めでした。(2025年6月13日

過去のきょう 2024 ユッカ・トンプソニアナ 2023 ウンナントウヒ 2022 コメツツジ 2021 クダモノトケイソウ(パッションフルーツ) 2020 サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ) 2019 ムラサキ 2018 フクギ 2017 ヒゼンマユミ 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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6月4日(水) クレマチス(品種不明)

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ピントの当て先を間違えたなぁと、いま思います。クレマチスの雌シベ・雄シベの面白さは否定できなくても、あとから見て目立つのは脇のクモでした。
巣は張らないで、こうやってずっと獲物を待つのでしょう。手抜きなのか勤勉なのか、評価に困るヤツです。ずっと目を見開いて緊張状態でいるわけにはいかないでしょうから、虫がやって来そうもない頃合いにはウトッとすることもあるのでしょう。
そう言えば、ベンチでウトッとしてしまった困ったお兄さんがいま話題です。退屈にさせてしまった相手チームがいけないような気はしても、それは声高に言えないし、翌日はそんな相手に弟くんが負けてしまって、さあ、ビシッと6月攻勢、ヨロシク!

過去のきょう 2024 キブシ 2023 スノーインサマー(メラレウカ・リナリイフォリア) 2022 アメリカニワトコ 2021 ラムズイヤー 2020 ホウレンソウ 2019 コムギ 2018 キソケイ 2017 コバノズイナ 2016 フウトウカズラ 2015 エンコウカエデ 2014 ルイヨウボタン 2013 センダン 2012 ジギタリス(キツネノテブクロ) 2011 ハルザキヤマガラシ 2010 ニワウルシ 2009 ヤマアジサイ 2008 ニンジン 2007 ムギワラギク 2006 イイギリ 2005 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ) 2004 アメリカノウゼンカズラ

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6月3日(火) セイヨウシナノキ

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ドイツ語ではこれをLindenbaumと言います。この名はケーキ屋さんとかカフェで親しいもので、あの国でこの木を目印にするお店が発祥だったのでしょう。
それだけ親しまれることは、Tilia vulgarisという学名からも察せられます。Tilia(シナノキ属)なんだけどvulgaris=ふつうの・よくある木だという素っ気ない扱いです。
今回見た木はそれこそふつうサイズ(高さ5~6m)だったものの、ドイツでは樹齢が千年を超えることもあるそうです。そんな「ふつうではないふつう」が広場の中心に聳える景色を楽しむためだけの旅なんてできたら幸せなことでしょう。

過去のきょう 2024 クサヨシ 2023 マオラン(覆輪タイプ) 2022 ニワゼキショウ 2021 トウグミ 2020 エニシダ 2019 クロウメモドキ 2018 コメガヤ 2017 バイモ 2016 シナガワハギ 2015 トキワハゼ 2014 マタタビ 2013 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2012 セイヨウニワトコ 2011 ニシキウツギ 2010 ブラシノキ 2009 クリ(雌花) 2008 センダイハギ 2007 タチバナ 2006 シロバナシラン 2005 ハナザクロ 2004 ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)

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6月2日(月) ニオイヒバ

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これがなぜ「匂檜葉」か知るためには、ちょっとイケないことをしなくてはなりません。植わっている幹や葉をクンクンしても、とくに香りはしないのです。
罪がなくていいのは剪定作業に立ち会うことで、その場はシトラスの香りに包まれるはずです。ただ、そんな幸運に恵まれないときは、目立たない場所の葉っぱを、先っちょだけ、ほんの少し千切らせてもらいます。おぉ~、爽やかですぅ。
同属であるネズコ(クロベ)にはそんな香りはないのに、北米産のこのニオイヒバがこんな芳香を持つとは、あのオッサン、これをどんどん日本に輸出して貿易赤字とやらを解消してくれたらどうですか。ん、この爽やかさ、わからないかなあ。

過去のきょう 2024 ウケザキオオヤマレンゲ 2023 トウチク 2022 ローツス・ヒルスツス・ブリムストーン 2021 シュガーホワイト(サボテン) 2020 シャスタデージー 2019 トラフアナナス 2018 ホップノキ 2017 マダケ 2016 エビヅル 2015 ベニサラサドウダン 2014 オウシュウマンネングサ(ヨーロッパタイトゴメ) 2013 サルトリイバラ(サンキライ) 2012 ホタルカズラ 2011 ツクバネソウ 2010 モモイロタンポポ 2009 ワニグチソウ 2008 セッコク 2007 ソヨゴ 2006 オリーブ 2005 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2004 ユリノキ

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6月1日(日) キンシバイ

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もう梅雨だろうという日々のなかにもピカッとしてくれるときがあって、そんなときにこの黄色い花を見ると、もう夏なんだなぁと覚悟新たにします。
そんな情緒的な感慨とは別に、多少は科学的な目の持ち合わせもあって、この写真には二つの視点を込めました。一つはキンシバイの学名=Hypericum patulumの後半部が意味するところ=「わずかに開いた」です。同属で感じの似たビヨウヤナギの花がわりとだらしなく開くのに対し、たしかに花冠がお椀型でつぼんでいます。
そしてもう一点は雄シベのつくりです。無数に見える雄シベが、じつは5つの束に括られていることをビヨウヤナギで確かめたまま、キンシバイの「金糸」を確認していませんでした。ひょいと思い出してちょいと引っ張ったら、お仲間と同じでした。無体なことをしてしまったお詫びに、つまんだ雄シベの葯を雌シベに擦りつけておきました。

過去のきょう 2024 シャク 2023 サワオグルマ 2022 ハナイバナ 2021 ホルトノキ 2020 サイカチ 2019 ハナヒリノキ 2018 クスダマツメクサ 2017 オニスゲ 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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