7月23日(火) オオハンゲ

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花序のつくりは仲間のカラスビシャクとそっくりでも、葉がずっと大型だし、広い縁取りのある葉脈が特徴です。前の掲載ではその肉穂部が閉じたままだったのに、撮影が3週間ほども遅いと、苞が簡単に開けて、中身を確かめることができました。
つくりはそっくりと上述したものの、色が黒みを帯びるカラスビシャクの付属体と違い、オオハンゲのそれは緑のまま枯れてしまうことがわかります。また、肉穂全体のサイズはカラスビシャクの1.5~2倍あって堂々(注)としています。
英名をGreen dragonというそうで、あちらの人々も「全体、グリーンだよなぁ」「でかくて、ドラゴンみたいだねぇ」と感じるらしいと知って、頬が緩みました。

<補注> ついでにムカゴも大きかったらいいなと探したのに、見つかりませんでした。なんと残念なことに、オオハンゲはムカゴをつけないのでした。

過去のきょう 2023 リンゴバショウ 2022 カギカズラ 2021 アアソウカイ(パキポディウム・ゲアイー) 2020 セイヨウニンジンボク 2019 キダチタバコ 2018 ウスベニタチアオイ(ビロードアオイ、マーシュマロウ) 2017 デンジソウ 2016 キジョラン 2015 コマクサ 2014 マンリョウ 2013 シロギキョウ 2012 コマツナギ 2011 ガクアジサイ 2010 オオアワダチソウ 2009 エゴノキ 2008 クリ 2007 ミョウガ 2006 キヌタソウ 2005 ヒヨドリジョウゴ 2004 タブノキ

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7月21日(日) カンガレイ

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折々に目立った草木を無作為に取り上げるという日記なので、特定の植物についての知識をまとめておくことにはとても不向きです。きょうのカンガレイのように通算7回目の登場(↓)ともなると、リンク機能のありがたみに最敬礼です。
そして暦的に見直したら、これが最も早い季節の姿でした。そう思って眺めるからか、丈がとても短くて新鮮です。かつ、小穂の形が変です。砲弾型に先が尖っているはずなのに、遠間で眺めるとそこが四角です。まるで先端が切り落とされたみたいです。
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グッと寄ってみたら、それは雌シベ(柱頭)が噴水のように湧いているためでした。花は雌性が先行するので、いまの季節に撮影できて幸運でした。雌シベは3裂することから、小穂1個にはたくさんの花が寄り集まっているとわかります。
おっと、雄シベの葯もこぼれ始めています。そして、その雌雄合体の成果をまだ見ていないことに気づきました。8回目のカンガレイ登場はどうやら10月ごろ、小穂から黒い実をほじくり出せたシーンになりそう(なってほしい)です。

<過去掲載のカンガレイ記事・暦順>8月5日 : 全体の姿 ☆ 8月12日 : 全体の姿 ☆ 8月19日 : 全体の姿(サンカクイと比較) ☆ 8月20日 : 小穂、茎、苞葉 ☆ 9月19日 : 雌シベ、雄シベ、茎と苞葉との継ぎ目 ☆ 12月2日 : 冬枯れの様子

過去のきょう 2023 ササゲ(ジュウロクササゲ) 2022 オオバアサガラ 2021 ニシキモクレン 2020 ナンヨウザクラ 2019 コフジウツギ 2018 ミシマサイコ 2017 ワレモコウ 2016 タマザキクサフジ(ツルレンゲ、クラウンベッチ) 2015 マルバアサガオ 2014 オガタマノキ 2013 センコウハナビ(ハマエンサス、ハマエンサス・ムルティフロールス) 2012 ノウゼンカズラ 2011 サンタンカ(イクソラ・シネンシス) 2010 ジャノヒゲ 2009 エンジュ 2008 チングルマ 2007 ツボサンゴ・パレスパープル 2006 シロネ 2005 ハナヅルソウ 2004 アカメガシワ

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7月19日(金) コレオプシス・ロセア

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群れなして咲いてはいても散漫な印象です。糸状で色も薄い葉、スリムでまっすぐな花茎、散漫なつき方の花びらの三要素が相和して醸す空疎感です。
北米がお里であり、Pink Tickseedと俗称される多年草です。チックシード(硬い種)はキンケイギク属(↓)を指し、そのピンク版というわけです。
秋まで長く咲き、かつ病気や害虫に強いという美点があるので、このロセアを元にして園芸種が作られています。そのなかには「アメリカンドリーム」という大仰な名前のものもあって、資料写真では驚くほど派手な変身ぶりも見られます。

<既収録のキンケイギク属・和名50音順>イトバハルシャギク ☆ オオキンケイギク ☆ キンケイギク ☆ コレオプシス・ソランナ ☆ ハルシャギク

過去のきょう 2023 マイアンテムム・ステッラツム 2022 タイワンコマツナギ 2021 ゼノビア・プルベルレンタ(スズランノキ) 2020 オオバヤドリノボタン(メディニラ・マグニフィカ) 2019 アオギリ 2018 ウワバミソウ 2017 トモエソウ 2016 アカバナルリハコベ 2015 ジュウモンジシダ 2014 ヒペリクム・ヒドコート 2013 アマチャヅル(雄花) 2012 ボタンクサギ 2011 ヨロイグサ 2010 チチコグサ 2009 メハジキ 2008 オオツヅラフジ 2007 チゴザサ 2006 ベニクロバナキハギ(ヤクシマハギ) 2005 コバギボウシ(斑入り種) 2004 ヒメヒオウギズイセンとミズヒキ

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7月17日(水) オオグルマ

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三度目の登場ともなると、少し酔狂な注目点が出てきます。葉裏がこんなに表情豊かな草本を初めて意識しました。ムキッとしている葉裏ならヤツガシラが印象深くても、オオグルマは脈の隆起度が激しいだけでなく、その繊細さも感動的です。
そして、脈の走り方にまるで規則性がないことに惚れました。中肋から鋸歯へと脈が流れるとき、ふつうはなんらかのルールがあるのに、どんなに見つめても考えても、「いいんだよ、みんな、行きたい方向に行けよ」という声しか聞こえません。
さらに、葉が茎を抱く様子も、オグルマが左右均等なのに比べると、オオグルマのそこはいかにもいい加減です。「巻きゃあいいんだろ、巻きゃあ」という態度に満ちあふれていて、こういう横紙破りも草木に限れば笑って見ていられます。

過去のきょう 2023 テンニンギク 2022 オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ) 2021 トウキョウチクトウ 2020 ピンポンノキ 2019 サンゴジュ 2018 ナガバハエドクソウ 2017 オオバギボウシ 2016 シソ(アカジソ、アオジソ) 2015 ヒエンソウ 2014 サワグルミ 2013 ミソハギ 2012 コンロンカ 2011 エンビセンノウ 2010 ヤナギハナガサ 2009 マサキ 2008 ヤナギラン 2007 チダケサシ 2006 トモエソウ 2005 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2004 ヤブツバキ

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7月15日(月) セイヨウトラノオ(ベロニカ・ロンギフローラ)

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たくさん咲いているとうれしいという幼稚な嗜好が丸出しです。前の掲載とは構図的になんら変化がなく、なぜ再掲するのか、理由付けが必要です。
はい、それは今回の写真の質感が、前よりもずっと本物に近かったからです。面白いことに、露光時間は前回1/80、今回1/800と10倍の開きがあります。長く露光しても冴えない色合いVSわりと短め露光のくせにじつにイキイキ質感です。
自分はほとんど絞り優先オートで撮っているので、この写り具合の差はカメラが勝手にやってくれたもの、もっと言えばお天道さまのご機嫌次第です。つまりは、日照の強い日に日向を選んで歩け・歩けとなるわけで、このごろの夏は鬼門です。

過去のきょう 2023 アナケイリウム・ラジアツム 2022 ネッタイスズラン 2021 グレビレア・プーリンダスプレンダー 2020 マダガスカルジャスミン 2019 アオカズラ 2018 オウゴンオニユリ 2017 斑入りバナナ(ムサ・アエアエ) 2016 アレチハナガサ 2015 バイカモ(ミシマバイカモ) 2014 キンシバイ 2013 ホウキモロコシ 2012 ワイヤープランツ 2011 コエンドロ(コリアンダー) 2010 アーティチョーク(チョウセンアザミ) 2009 イヌビワ 2008 ムラサキバレンギク 2007 イチジク 2006 ヒマワリ 2005 アキノエノコログサ 2004 ユリ(品種不詳・カノコユリ系)

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7月13日(土) ダイギンリュウ

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背丈が50~60cmあり、クネクネと身を捩りながら生長します。姿が妙な仲間にことかかないEuphorbia(トウダイグサ属・↓)のなかでもかなりの変態度です。
園芸的にはペデランサスと呼ばれることが多くても、これは旧属名で、いま現在の学名はEuphorbia tithymaloides 'Cucullatus'です。つまりE. tithymaloides(和名:ムカデタイゲキ、通称:銀竜)の園芸種・ククラツス(フードを持つの意)です。
そのフードとは、どうやら花の形を言っているようで、花をつけるのが楽しみです。かつ、母種と違うのは株下の葉が赤みを帯びることで、これは老化の一過程(発色後は茎から脱落)ではあっても、緑一色ではない賑やかさがあります。

<変態度高めのEuphorbia 6傑・和名50音順>キリンカン ☆ ギンツノサンゴ ☆ サイウンカク ☆ チュウテンカク ☆ ミドリサンゴ ☆ ユーフォルビア・ラクテア・クリスタタ(春峰)

過去のきょう 2023 コチレドン・福娘 2022 アメリカシモツケ 2021 シダレケヤキ 2020 オマツリライトノキ 2019 ホソバイヌビワ 2018 アマ 2017 コシロノセンダングサ 2016 ホタルイ 2015 ハラン 2014 アオジクユズリハ(イヌユズリハ) 2013 ハス(古代蓮) 2012 シマトネリコ 2011 ハナハッカ(オレガノ) 2010 タマゴタケ 2009 タカトウダイ 2008 チョウセンニンジン(オタネニンジン) 2007 セイヨウニンジンボク 2006 ヒエンソウ 2005 ヘメロカリス 2004 ヘクソカズラ

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7月11日(木) レオノチス・ネペチフォリア

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久しぶりにカエンキセワタを見るなぁ…と最初は思ったのです。ただ、なんか変だなぁとも感じました。同じような、違うような、すっきりしないまま、取りあえず撮影です。
帰ってきて調べると、やはり別人でした。Leonotis(カエンキセワタ属)ではあっても、種小名がnepetifolia、つまりNepeta(イヌハッカ属)に似た葉が特徴というわけです。そうと知ってあらためてカエンキセワタの葉を見ると、あれはヘラ型でした。
対するにこちらはサジ型です。その葉が厚手で硬質(注1)です。また、茎がガッシリと骨っぽく、はっきり三つ叉に分かれる枝からは人工的な造形美を感じます。
立派な和名を持つカエンキセワタと違い、こちらは学名そのままで呼ぶしかない(注2)ようです。Christmas candlestickという英名を流用する手があっても、少し長くて発音しにくくて、同じ面倒をするならアカデミックさを感じられる方にしておきます。

<補注1> じつはこれがネペチフォリアでいいのか、とても迷っています。問題はこの分厚くて鋸歯のない葉で、参考ページに見る葉はまさに種小名どおりNepetaの葉を思わせる(厚みはなく、鋸歯あり)のです。
ただ、nepetifoliaでなければなんなのかがわかりません。Leonotisには20種ほどのバリエーションがあるとはわかっても、その参考画像が得られないのです。もう少し情報量が増えたころ、「間違いでした」とやることを覚悟の掲載です。
<補注2> タマザキメハジキ(珠咲目弾)という和名がついているようではあります。

過去のきょう 2023 ハナスゲ 2022 アメイシャ 2021 エノキ 2020 ハイビスカス(ブッソウゲ) 2019 ツガ 2018 シナノアキギリ 2017 ノカラマツ 2016 マヤラン 2015 キソウテンガイ(サバクオモト、ウェルウィッチア) 2014 ムクゲ(白花笠) 2013 カラムシ(雄花) 2012 スモモ 2011 クサスギカズラ 2010 ギンバイソウ 2009 コバギボウシ 2008 イランイランノキ 2007 ラムズイヤー 2006 ゴシキドクダミ 2005 アガパンサス 2004 カラスウリ

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7月9日(火) グロリオサ

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知り合いがグロリオサを植えてくれて、おかげでジトッと見入ることができました。それで気づいたのが雌シベのひん曲がりです。付け根で直角にグイッと、金輪際まっすぐになんかのびるものか!という強い意思が感じられます。
これはノカンゾウオオバギボウシと同じく、自家受粉を避ける仕掛けでしょう。もし花柱が素直にのびてしまえば、俯いて咲く花の特性から、自分の葯からこぼれる花粉にまみれることになります。ノカンゾウのように横向きに咲くタイプなら、こうまで根性がひねくれる必要はなかっただろうに…と同情してしまいます。

<補注> さも大発見のように書いたものの、かつての写真は2枚ともにこのひん曲がり雌シベをとらえていました。「見えていても見えない」自分にゲンナリです。

過去のきょう 2023 ゲッカコウ(チューベローズ、オランダズイセン) 2022 ギンヨウジュ(レウカデンドロン) 2021 ハシバミ 2020 リョウブ 2019 ダイダイ 2018 ヒゴタイ 2017 クマツヅラ 2016 ヤブニンジン 2015 ハマボッス 2014 アカガシ 2013 カラスビシャク 2012 ザクロ 2011 ラブパット(ギボウシ) 2010 タイトゴメ 2009 ニガウリ 2008 オオハンゲ 2007 グリーンローズ 2006 カラジューム 2005 ナンキンハゼ 2004 タイサンボク

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7月7日(日) キキョウソウ

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ずいぶんと久しぶりに取り上げるキキョウソウです。その記事はと言えば、17年も前のわりにはしっかり勉強したようだし、写真に説明を書き込むことで「わかりやすさ」を目論んでいて、けっこう褒めてあげたい内容でした。
ところが、この帰化植物を特徴づける大切なことが一つ抜けていました。それは葉の説明で、キキョウソウの葉はまるで苞葉みたいに漏斗状なのです。もちろん、その漏斗の上には花が一つしか咲かないので苞ではなく、ふつうに「葉」なのです。
この「葉らしくない葉」の形態は学名にも述べられていて、種小名perfoliataは「葉中央部を茎が貫通したような葉」を意味します。同じ種小名を持つ植物として、このブログにはイシミカワキバナノツキヌキホトトギスを収録していて、その写真を見れば、言葉では理解しにくいこの特殊な葉のつき方が一目瞭然です。

過去のきょう 2023 ハナヤナギ(クフェア・ミクロペタラ) 2022 セイヨウハシバミ 2021 ビヨウヤナギ 2020 マタタビ 2019 イヌリンゴ(ヒメリンゴ) 2018 キツリフネ 2017 ベゴニア・ドレゲイ 2016 ハルパゴフィツム(ライオン殺し、悪魔の爪) 2015 スナビキソウ 2014 ザイフリボク(とジューンベリー) 2013 アマドコロ 2012 ゴマキ 2011 ヤマユリ 2010 タケニグサ 2009 トモエソウ 2008 サルビア・インディゴスパイア(ラベンダーセージ) 2007 シャシャンボ 2006 ナス 2005 チヂミザサ 2004 シャグマユリ

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7月5日(金) カッコウセンノウ

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ヨーロッパの牧草地に群生を作って「いた」多年草です。ただ、そういう長閑な環境が激減したいま、原産地では数を減らし、北米大陸が本拠となりつつあります。
嵌め込み写真に見るように、Silene(マンテマ属・注)特有の樽型の実をつけ、そこからのこぼれ種でどんどん殖えるのに、環境変化には勝てません。
さて、そんなガチンコ欧風の素性に似合わず、和名はやたらと風流です。これは種小名のflos-cuculiの直訳であって、flos=花、cuculi=郭公(ともにラテン語)、そしてセンノウはもちろんマンテマ属のことです。あののんびりした鳴き声はいまごろ響き渡るのだったか…と記憶をたぐり始めるほど、ずいぶんと聞かなくなりました。

<補注> 園芸方面ではシノニムのリクニス(Lychnis)で呼ばれています。

過去のきょう 2023 オカタイトゴメ 2022 ククイノキ 2021 ゴレンシ(スターフルーツ) 2020 ソランドラ・マキシマ・ワリモー 2019 ヤクシマオナガカエデ 2018 カリブラコア・ティペットダブル 2017 ゴマノハグサ 2016 リュウビンタイ 2015 タコノアシ 2014 タラノキ 2013 トチバニンジン 2012 イワガラミ 2011 ノハナショウブ 2010 ビジョザクラ(バーベナ) 2009 オオバギボウシ 2008 ケショウサルビア(ブルーサルビア) 2007 リシマキア・プンクタータ 2006 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2005 ノブドウ 2004 アサガオ

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