7月14日(月) シラゲキクバクワガタ

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<礼文記28> なんとなく見覚えのある花なのに、その葉にも、あるいはもう膨らんでいる種(実)にも親しみがありません。花から察するにクワガタソウ属(Veronica)でしょうから、その線から礼文で見られるものにあたるとキクバクワガタとなりました。
しかし、その茎や葉の毛深さが尋常ではありません。そこを考慮して、キクバクワガタの品種(f.)であるシラゲキクバクワガタとしました。その品種名candidaは「白く輝く」ほどの意味で、霧につきまとわれた旅だったのに、運良く毛が輝いています。
それにしても、属名にもなっているクワガタソウは実が独特過ぎるし、春の野道を飾るオオイヌノフグリもあれば稀少種のイヌノフグリもある一方でセイヨウトラノオなどというお洒落系もあって、このクワガタソウ属(Veronica ↓)はじつに多彩です。

<このブログに既収録のクワガタソウ属・和名50音順・リンク省略> ☆ イヌノフグリ ☆ オオイヌノフグリ ☆ オオカワヂシャ ☆ カワヂシャ  ☆ クワガタソウ ☆ コゴメイヌノフグリ ☆ シラゲキクバクワガタ ☆ セイヨウトラノオ(ベロニカ・ロンギフローラ) ☆ タチイヌノフグリ ☆ トウテイラン ☆ ハマトラノオ ☆ フラサバソウ ☆ ヘーベ ☆ ベロニカ・グレース ☆ ムシクサ

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7月13日(日) ヒロハクサフジ

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<礼文記27> ソラマメ属のなかの日本代表かなと思える(種小名がjaponica)ものを礼文島で撮りました。北海道以外でも北日本なら分布することになっているのに初めての出会いですから、やはり礼文は花の聖地ではあるわけです。
ヒロハ(広葉)という形容は、これだけ見ていると頷きにくくても、ふつうのクサフジと比べるとなるほどです。ほかに、花穂が少しだけ短い気がしました。
面白いのは、おとといのマルバトウキと同じくこれもハマクサフジという別名を持つのに撮影地はけっこう内陸部だったことです。とは言っても狭い島のこと、地図で見直せば波打ち際まで1kmはなくて、きっと潮風は十分に届くのでしょう。

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7月12日(土) エゾスカシユリ

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<礼文記26> 街で見かけるスカシユリとは少しばかり雰囲気が違います。まず背丈があまりないし(膝丈程度)、スカシが大きいのです。隙あり過ぎです。
なので、シベとか花びらの斑紋(スカシユリには見られない)を上から覗き込むのも横から透かして眺めるのも自在です。あるいは花柄が毛むくじゃらで、これを知らないで眺めると病気だろうかと心配することになります。
礼文に限らず道内各地に咲くそうで、かつて訪ねたワッカ原生花園は最大の群生地なのでした。知らなかったとは言え、あのとき花の残骸さえ見つけられなかったのは、眼力のなさよりは時期が遅すぎた(開花期は8月いっぱい)せいでしょう。

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7月11日(金) マルバトウキ

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<礼文記25> 別名をハマトウキというので、ハマベンケイソウハマハコベと同じく潮風好きの性質があることはあるのでしょう。ところがこれだけはもろの海岸ではなく、かなりの崖の上とか、山裾の集落近くとかで出会いました。
そんな体験から、別名はあっさり忘れ、標準和名だけをきっちり覚えます。2回三出の複葉は厚手で艶があり、大括りに言えば和名どおりの丸いフォルムです。
Ligusticum(マルバトウキ属・注)という珍しいグループなので、ここには新規収録かと思ったら、ずいぶんと昔にセンキュウ(Ligusticum officinale)を掲出していて、ただしどこかの薬草園で出くわしたようで、常に似合わず寡黙な取り上げ方でした。

<補注> トウキもセンキュウと同じく薬草で、しかしAngelica(シシウド属)です。つまり、マルバトウキ(またはハマトウキ)はあえて別属の名前を借用しているところが素人泣かせです。素直にマルバセンキュウとしてほしかった…と涙です。

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7月10日(木) ハマベンケイソウ

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<礼文記24> 先週掲載したハマハコベと同じく、海辺の植物です。と言うか、むしろさらに厳しい環境を好むようで、おむすび大の石の間に根を張っていました。
無毛なのに白緑色の葉は繊細なタッチで、多肉質然とした図太さがありません。その葉は腕ほどに長くのびた茎に互生し、のびきった先に花序をつけます。
その花がまた可憐です。俯いたベル型の形もいいし、ピンクの蕾が開くと青くなるのも意外性に富んでいます。礼文に固有のものではなく、本州の海岸までかなり広く分布するそうで、どこか潮の香りのする町に旅したら再会したいものです。

過去のきょう 2024 ミナヅキ 2023 ハナエンジュ 2022 タンジン 2021 クローバー・ティントヴェール 2020 ニンニク 2019 オオフサモ 2018 ヒイラギ 2017 つがる(セイヨウリンゴ) 2016 シキザキホソバアカシア 2015 アデニウム・アラビカム(砂漠のバラ) 2014 アンゲロニア 2013 ナンテン 2012 クマツヅラ 2011 ノムラカエデ 2010 ヤハズアジサイ 2009 アブラチャン 2008 カラスビシャク 2007 カラタチバナ 2006 タイマツバナ 2005 サルスベリ 2004 メマツヨイグサ

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