11月10日(日) シマコガネギク

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アキノキリンソウを思わせますが、立ちの強い茎と、その先だけに集まる花がなんとなく「そうじゃないよ」と主張しています。いえ、本当は名札がついていました。
そこにはシマコガネギクとあって、屋久島から南の琉球列島に分布するものでした。あらためて学名を確認すると、アキノキリンソウがSolidago virgaurea subsp. Asiaticaであり、こちらはその後ろにさらにvar. insularisと続きます。
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学術的には「ほぼ同じ」という見解であり、insularis(島の)が追加されただけです。いやいや、冒頭述べた「感じ」が違うし、茎上部の葉も、わりとゆったりめのアキノキリンソウに対してこちらは細くて小さくて別物だとわかるのに、なにせカンニングした身なので生意気は言えません。早めに現地で再会できることを期待しておきましょう。

<補注> シマコガネギクという和名ですぐに連想したのはアワコガネギクでした。しかし、あちらはChrysanthemum、こちらはSolidagoと属レベルから別物です。これでようやく、アワコガネギクは別名で標準和名がキクタニギクである意味がわかりました。

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11月9日(土) コケモモ(リンゴンベリー)

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かなり高揚しています。コケモモについて、二つ、新しい知識を得ました。
一つは花が二度咲きする事実です。写真右手に開いた花があり、ほか各所に大小の蕾がついています。それなのに左側には真っ赤な実が下がっています。
もう一つの知識はコケモモの種類です。今回撮影したものはナーセリーがリンゴンベリーとしているもので、嵌め込み写真で示したとおり、葉が丸く小さめです。これに対して英名をカウベリーという種類があり、比べれば微妙に葉が大きいのです。
そんな新知識に照らして過去記事の画像を見ると、この夏に開花を撮影したものは葉の長さが目立ちます。花も花筒がやや深めです。つまりカウベリーです。
対してずっと昔に実を写したものは今回のものと葉の感じが似ています。丸々していて小さくて、全体がわずかに上に膨らんでいます。つまりリンゴンベリーです。
ということで、コケモモに2タイプあることなど知らぬままにその両方を見ていたわけで、いつも間の悪さを嘆くはた衛門にしては珍しく幸運なことでした。

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11月8日(金) シナオケラ

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このシナオケラはホソバオケラとともにその根茎が蒼朮(そうじゅつ)と呼ばれる漢方の原料になります。一方、白朮(はくじゅつ)も同じく漢方名で、そちらにはオケラオオバナオケラが使われます。「朮」はオケラのことです。
根茎の参考写真を見ると、白朮はたしかに白っぽいのに比べ、蒼朮は黒いと言うか、濃茶であって、決して蒼(あお)くはありません。言葉の綾だろうと思います。
いやいや、話はシナオケラで、ホソバオケラの変種とされ、両者はかなり似ています。ただこんなミイラ状態でも、茎の分岐が強いことや葉の鋸歯が刺状でパサついて見えることがわかります。渋いオケラの渋い見分けポイントです。

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11月7日(木) シマダフジ(カレルヤ・ニチダ)

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白と紫に染め分けた花が和風だし、島田藤という標準和名まで持っているので、つい我が国在来のものかと考えてしまいます。
ところが原産地は中国と台湾であり、中医薬の原料として大切な植物です。茎が婦人の病に効くほか、種や根の毒を民間で使うらしく、おそらく日本統治下の台湾でそれを見た島田さんが勝手に自分の名を…というのはいつものはた衛門珍説です。かなり真剣に和名由来を調べたのに、どこにもそれが見つかりません。
名前と言えば、依然として意味不明のままの醋甲藤(ムラサキナツフジ)を思い出すわけで、あれとこれとはかなり近い仲間(中医薬・鷄血藤の原料)というか混乱している様子が見られます。ネットで鶏血藤茶が売られているのに、その原料は各社それぞれであって、このお茶を飲んでその辺スッキリとは参りません。

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11月6日(水) オンシジューム・オヌスツム

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南米原産の着生ランで、オンシジュームに分類されます。恥ずかしながら、これまでオンシジュームはここに3回出しているのに、初めて種を特定できました。
園芸種が苦手な一因はここにあって、イジられ尽くしてどう調べても学名がわからないことが多いのです。その意味で、こういう原種系を見るのは勉強になります。花屋で見るオンシジュームの花は、ベルサイユ宮殿の舞踏会もかくやと思わせる派手な形なのに、今回のものはどうかすると唇弁がそれほど目立ちません。
ただし、ガッシリと逞しい葉やそれを支えるバルブはかつて見たものと大差なく、今回は心置きなく花の美しさに浸ることができました。

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